研究課題/領域番号 |
23K09626
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
|
研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
南部 みゆき 宮崎大学, 医学部, 准教授 (90550418)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 医療コーパス / 医療コミュニケーション / 発話 / 外国人診療 / コーパス / 医療会話 |
研究開始時の研究の概要 |
日本における外国人患者の対応は、自治体の意識調査によれば「病院でことばが通じない」ことが頻繁に挙げられている。しかし、「言葉が通じず問題が発生しやすい」という理由で、患者が排除されることがあってはならない。 本研究では、研究対象言語を英語とし、『患者と医療従事者における会話の特徴は何か』という学術的問いを立て、病を語る患者のナラティヴを利用した特殊コーパスを作成する。本研究は、外国人患者対応に関連する諸問題の解決の端緒となり、国内診療で必要とされる他の外国語(中国語・ポルトガル語・スペイン語等)の研究促進にもつながることが期待される。
|
研究実績の概要 |
本研究は、研究対象言語を英語とし、「患者と医療従事者における会話の特徴は何か」という学術的問いを立て、医療会話コーパスの構築に着手することを目的としている。コーパスとは、自然な言語を文章化・構造化して大規模に集積したものを指す。本研究では、病を語る患者の発話を利用した特殊コーパスの構築を目指している。日本国内においては、自治体の意識調査による外国人医療の現状として、「病院でことばが通じない」ことが頻繁に報告されている。将来その問題解決のための糸口となることを願い、本研究の構想に至ったものである。研究初年度である2023年は、未だ一般化できるデータ量ではないものの、構築段階にある。次年度以降も引き続きコーパス語数を増加させていく予定である。 また、今回集積したコーパスの一部である「一人の外国人患者と看護学生の間で交わされた英語による問診データ」を利用し、「日本人医療従事者と外国人患者」という観点から、現在、会話分析を行っている。先に述べたとおり、コーパス研究は通常、大規模な言語資料を指すが、1件の問診風景をつぶさに研究することも、本研究に示唆を与えるものと期待している。 さらに、将来医療従事者となる医学生・看護学生の英語コミュニケーション能力および医学英語の習得も同時に重要となる。そこで、研究者は、医学英語学習支援ツールの開発にも取り組み、ホームページを自作した。本オンラインプラットフォームは、学生が自主的に医学英語を学ぶための機能を提供しており、適切な教材の提供や学習コンテンツへのアクセスを可能としている。これらの機能の搭載により、学生の学習効果をさらに向上させ、将来における日本国内の外国人医療に貢献できることを目指す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画以外の、医学用語学習用のプラットフォームの構築、および会話分析も行ったことにより「おおむね順調」とした。両者とも本研究には密接な関連性がある。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、コーパス構築を行っていく。特定の分野における言語知識は、「1万語のコーパスが有益である」と言われる。そこで、次年度は1万語のコーパス構築を目指したい。本研究では、量的・質的アプローチの両方を取り入れるため、1) 患者が語る言語的特徴、および医療面接時の 2) 医療従事者と患者の言語的特徴について、以下の3つの観点から分析を行う。まずは、1万語に到達した時点で、言語的特徴を量的に分析する「コーパス分析」を実施し、次に、会話の開始部から終了部まで特定の働きを担う局面を特定する「Move分析」、医療従事者の発話における「Politeness分析」を計画に沿って行う。
|