研究課題/領域番号 |
23K09631
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
堀田 英樹 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 准教授 (90303289)
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研究分担者 |
清水 栄司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00292699)
関 陽一 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 助教 (30757828)
石井 大典 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (30803291)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ネット依存 / 認知行動療法 / 保護者 / 遠隔医療 / スマートフォン |
研究開始時の研究の概要 |
現在、インターネット、オンラインゲーム、SNSなどの利用は我々の生活を豊かにしている。一方、その負の側面も注目されるようになり、ネット依存の問題が指摘されるようになった。我々は、未成年のネット依存症者の保護者を対象に遠隔からテレビ会議システムにて認知行動療法を実施することが、ネット依存の重症度が軽減することができるかについて検証してきた。本研究では、さらに未成年のネット依存症者を対象とし、遠隔からテレビ会議システムを用いて作業活動を介した治療を提供する群が待機リスト・コントロール群に比して、ネット依存の重症度が軽減するかということについて、パイロット・ランダム化比較試験で検証していく。
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研究実績の概要 |
【研究の目的】本研究は、①ネット依存症者を対象とし、②遠隔からテレビ会議システムを用いて③作業活動を介した支援をすることで、④ネット依存を軽減できるかどうかという実効性を検証する目的でスタートした。2020年度基盤研究(C)では、未成年者の「保護者」を対象者として集めてきたが、実際に遠隔で関係性を深めていく中で、最終的にはネット依存の「未成年者ご自身」の参加がみられることが何度か経験したため、保護者との関係性を築く中で、新たに未成年のネット依存症者への関係性も同時に築いていくこととした。また、未成年者との関係構築ができた段階で、遠隔からテレビ会議システムを用いて作業活動を介した治療を提供することとした。 昨年度は、ネット依存症者へのリクルートにむけて、WEBホームページ内、関連病院、および千葉県内の教育機関、およびポスター等にて研究協力者を募集していく形であったが、結局、参加者はなかった。そのため研究分担者に相談し、協議を重ねた結果、リクルート活動は困難を極めるとの判断に至った。 再度、研究方針について検討した結果、①対象者を、ネット依存症者からネット依存症者の保護者とし、②遠隔からスマートフォンを用いて、③認知行動療法アプリを介した支援をすることで、④ネット依存を軽減できるかどうかという実効性を検証する目的に変更することとした。 【研究実施計画】保護者、およびお子さんに同意説明文書を渡し、十分な説明を行い、自由意志による同意を得られた保護者を研究に登録することとした。試験のデザインは、ランダム化比較試験(認知行動療法群・待機リスト群)とし、割付に関してはコンピュータにより無作為に処理することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記【研究実績に概要】の変更にともない現在「ネット依存症者の保護者に対する認知行動療法アプリを用いた臨床試験」として検討中である。 【アプリケーションの開発】2020年度科研費基盤研究(C)(一般)「ネット依存症者の保護者に対する遠隔認知行動療法のパイロット・ランダム化比較試験」では、遠隔からテレビ会議システムを用いて、直接向かい合って認知行動療法を実施していたが、本研究では対象者(保護者)が認知行動療法アプリに向かい、評価していく。なおスマホアプリに関しては現在開発中である。 【認知行動療法について】ネット依存未成年者の保護者は、Parent Trainingおよび認知行動療法の技法を応用した「コミュニティ強化と家族訓練(CRAFT)」に基づいた相談支援を行っていった。保護者はセッション終了時に、検査者側から提示されるホームワークを実施していき、未成年者とのコミュニケーションにおける問題点について解決を目指していくこととした。
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今後の研究の推進方策 |
【方法】次のすべての条件に該当する未成年者およびその保護者を対象とする。1)ネット依存の方が同意取得時、12歳以上20歳未満の未成年者であること。2)同意取得時、20歳以上(成人)の保護者がネット依存の方と同居していること。3)ネット依存の方が、インターネット依存度テスト(IAT)自記式質問紙で40点以上であること。4)本試験の参加にあたり、十分な説明を受けた後、十分な理解の上、自由意思による文書同意が得られている未成年者および保護者。5)未成年者は、自記式質問紙に回答できること。6)保護者は、スマートフォンを使って継続的に認知行動療法による相談支援を受けられる程度に健康であり、相談支援に支障があるような心身の疾患、障害を持たないこととした。 なお、認知行動療法群では、保護者が遠隔での認知行動療法を週1回50分、6週連続で受けることになり、治療開始から7週時点ならびに18週時点で、保護者および未成年者本人の有効性、安全性評価のための主要評価項目に関する調査を遠隔で実施し、効果判定を行う。待機リスト群では、認知行動療法は受けず、7週間待つこととした。 【評価結果について】現在、鋭意検討中である。収集している評価項目は、未成年者本人が自記式質問紙により回答しているインターネット依存度テスト(IAT)、the Compulsive Internet Use Scale (CIUS)を中心に、インターネット1日あたりの使用時間や、QOL指標である日本語版EQ-5D-5L等を未成年者本人、保護者双方から集める予定である。
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