研究課題/領域番号 |
23K09632
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
高山 陽子 北里大学, 医学部, 教授 (80286278)
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研究分担者 |
小松 敏彰 北里大学, 大学病院, 臨床薬学博士 薬剤師 係長 (90937260)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 周術期予防抗菌薬 / 総血清濃度 / 遊離型血清濃度 / 組織内濃度 / 組織濃度 |
研究開始時の研究の概要 |
周術期予防抗菌薬(以下、予防抗菌薬)は、常在菌由来の汚染をコントロールする目的で投与され、殺菌作用を発揮するための血清および組織濃度が必要とされる。 本研究では、第一世代セフェム系抗菌薬(cefazolin:CEZ)選択術式を対象に、CEZ の総血清濃度と薬理効果をより反映すると考えられる遊離型血清濃度、および研究途上である標的臓器周辺や皮下脂肪組織濃度を測定し、手術部位の常在菌の最小発育阻止濃度(minimum inhibitoryconcentration:MIC)を含めた多面的検討から、予防抗菌薬としての CEZ の最適な投与量や投与間隔を明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究では、国内外の周術期予防抗菌薬で最も汎用される第一世代セフェム系抗菌薬(cefazolin:CEZ)選択術式を対象に、CEZの総血清濃度と薬理効果をより反映すると考えられる遊離型血清濃度、および研究途上である標的臓器周辺や皮下脂肪組織濃度を測定し、手術部位の常在菌の最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentration:MIC)を含めた多面的検討から、周術期予防抗菌薬としてのCEZの最適な投与量や投与間隔を明らかにすることを目的とする。 2023年度は、周術期予防抗菌薬としてCEZを投与した腹腔鏡下前立腺全摘除術施行の33症例(平均年齢68歳、いずれも前立腺癌)を集積した。 方法は、皮膚切開30~60分前にCEZ1g(体重≧80kgは2g)を静脈内投与し、経時的に血清および脂肪組織を採取した。手術時間が3時間経過する毎に、CEZの追加投与を行った。 分離分析法(HPLC法)を用いて、皮膚切開時:総血清濃度92.3μg/ml、皮下脂肪濃度2.8μg/ml、前立腺摘出時:総血清濃度62.0μg/ml、前立腺周囲の脂肪濃度2.4μg/ml、閉創時:総血清濃度47.8μg/ml、皮下脂肪濃度2.4μg/mlの結果が得られた。CEZの追加投与は、17例で実施された。 過去の文献から、皮膚常在菌であるメチシリン感受性黄色ブドウ球菌のMIC90を1μg/mlとすると、いずれも上回っていた。周術期感染は確認されておらず、十分な血清・脂肪濃度は周術期感染予防に寄与する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定よりやや遅れているが、着実に結果は蓄積されており進捗に問題はない。
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今後の研究の推進方策 |
症例の集積を進め、データの統計解析を実施する。各種濃度の結果を検証し、国内外の学会における公表を予定する。
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