研究課題/領域番号 |
23K09636
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
森本 真理子 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (20647359)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 新型コロナウィルス / 接触確認アプリ / テクノロジー普及 / ソーシャルメディア / テクノロジー受容 / ヘルスコミュニケーション / 信頼性 / プライバシー / 健康医療アプリ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではヘルスコミュニケーションにおける情報源の信頼性やプライバシーの観点から、新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)や、オンライン診療をはじめとする健康医療アプリの普及や受容の傾向及び先行要因を、複数のデータ収集・分析アプローチにより調査する。 従来からのイノベーション普及学に加え、テクノロジーの普及に特化したテクノロジーの受容と使用の統一理論や、個人情報に関するリスク研究に頻繁に用いられるプライバシーパラドックスの概念や、プライバシー計算理論等の理論的見解を通して多角的な面から探究する。
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研究実績の概要 |
当研究は、ヘルスコミュニケーションにおける情報源の信頼性やプライバシーの観点から、新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)や、オンライン診療等の健康医療アプリの一般での普及や受容の傾向並びに先行要因を、複数のデータ収集・分析アプローチにより調査するプロジェクトである。医療現場や公衆衛生分野でのテクノロジー導入の際、コミュニケーションの果たす役割は非常に大きい。従って情報源や情報の信頼性の重要度が、啓蒙活動の効果に大きく影響すると考えられる。 令和5年度は、COCOA導入に際しての反応に関して、導入初期、普及離陸期の国内在住の一般人によるX上でのツイートの内容分析を行った。2020年6月の導入期から2022年12月までの各4半期の間1週を無作為に選出し、各期間から150ツイートを無作為に抽出した。抽出用キーワードは「COCOA」、「COCOA アプリ」、「接触確認アプリ」等を用いた。2名のコーダーを雇用し、各コーダーが抽出されたツイートの主要変数を分類した。。研究代表者はコーダーの疑問・質問に対応、信頼性90パーセント以上を確認後に、各コーダーは独立してサンプルを半々ずつ分類した。 内容分析の結果、最もXで言及された内容は感染者との接触通知であり、次にCOCOA関連のテクノロジーとアプリのパフォーマンスが続いた。プライバシーに関わる投稿はX上では頻繁に見られなかった。投稿の大部分は中立的なものであったが、アプリの有効性、アプリ削除、またアプリに対しての不満等や政治的コメントに関する投稿は否定的な表現が見られた。インストールや、その意図に関する投稿は肯定的な傾向があり、感染者との接触通知に関するツイートは肯定的なものと否定的な表現の両方が確認された。これらの分析結果をもとに、令和6年、7年度に行うアンケート調査及び実験操作用の調査票や実験刺激の作成を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
定量データ化されたツイートの内容分析の結果を基に、令和6年度の活動中心となる定量アンケートの調査票を作成、学内の研究倫理審査委員会に調査申請を行った。令和6年3月に実施承認も下り、現在調査会社とオンラインアンケートのウェブプラットフォームの作成中である。完成次第、調査会社のパネルを利用したデータ収集が可能である。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、健康医療アプリのテクノロジー普及の受容、見解やプライバシー懸念等の先行要因、受容決定の際に用いる情報源に関する定量データを収集、分析する。調査会社のパネルを利用し被験者を募集する。このアンケートで収集した一般市民からのデータを基に、American Academy of Advertising Annual Conference、Association for Education in Journalism and Mass Communication, International Communication Association等の学会発表や、Journal of Health Communication, Information, Communication & Society, CyberPsychology, Behavior, and Social Networking, Health Marketing Quarterly等の国際ジャーナルへの論文投稿を予定している。
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