研究課題/領域番号 |
23K09643
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
渡邊 裕美 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (50325479)
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研究分担者 |
山本 恵子 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (60143757)
北村 香織 新潟大学, 医歯学系, 助教 (80468975)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 尿 / プロテオミクス / 認知症 / バイオマーカー / コホート研究 / 尿バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ありふれた尿検体から認知機能低下を予測できるタンパク質群を特定し、健診などで簡単に受検可能な認知症予測バイオマーカー開発に貢献することを目的とする。申請者らは地域住民コホートにおいて認知機能検査 (MMSE)と尿検体の採取を継続して行い、協力医療機関調査から認知症発症を特定している。本研究はその枠組みにおいて、①最新の定量プロテオミクス解析(D I A法)により、2015年から2021年の期間の認知機能低下に伴って変動する尿中タンパク質(バイオマーカー)を縦断的に特定し、②その期間に認知症(アルツハイマー病)を発症した者の尿検体を用いてそれらのバイオマーカーの蓋然性の検証を行う。
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研究実績の概要 |
今年度は、これまで(2015年と2019、2021年の2回)に行った簡易認知機能検査(Mini-Mental State Examination [MMSE])と、尿検定の採取に応じた参加者のなかから、約5年の期間にMMSE得点が4点以上が低下した16名(低下群)と、MMSE得点が両調査時点で28点以上であった者の中から低下群と性、年齢をマッチさせた16名(維持群)の尿検体の質量分析(プロテオミクス)を行った。いずれの群も2015年の時点で平均年齢69歳、男性8名、女性8名であった。質量分析(プロテオミクス)は、網羅性と定量性を兼ね備えた最新の方法(DIA法)で行った。その結果、各尿検体から平均1285種類(標準偏差221.5)のタンパク質が検出された。これまでのDDA法による質量分析では平均952.8種類(標準偏差177.7)のタンパク質が検出されていたため、検体当り約35%多くのタンパク質が検出されたといえる。予備的な解析では、2015年時点の低下群と維持群の尿検体の比較では、45種類のタンパク質が有意(p<0.05, Welch補正 t検定)に量の違いがあった。さらに、主成分分析の結果から、尿中のタンパク質組成には男女差があることが強く示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
機械の故障もあり、質量分析の完了時期が遅れたが、年度内に実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後、認知機能的歌群と維持群を識別するタンパク質群の同定をすすめるが、尿中のタンパク質組成には男女差があることが強く推測されたため、男女別の解析と、全体での解析の結果の比較検討も行い、より実際的なバイオマーカー候補の探索につなげたい。
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