研究課題/領域番号 |
23K09651
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
濱口 真英 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80350883)
|
研究分担者 |
福井 道明 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30247829)
高野 裕久 京都大学, 地球環境学堂, 研究員 (60281698)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | マイクロプラスチック / 組成 / 粒径 / 腸内環境 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らは、MPの代表ともいえるポリスチレン粒子の慢性飲水摂取が2型糖尿病を悪化させるという生物学的知見を既に得ている。本申請では、先行研究を一般化させるべく、組成と粒径の異なるMPを対象とし、その慢性飲水摂取が糖尿病の発症・悪化に及ぼす影響を評価する。またMPによる腸内環境の障害・Dysbiosis・Leaky Gut症候群とエンドトキシン血症に焦点を当てて影響発現メカニズムを明らかにする。本研究によりMPによる糖尿病の発症・悪化という健康影響を分子レベルで解明するとともに糖尿病に対する衛生学的対策の有用性を新たに提案する
|
研究実績の概要 |
本研究計画では、組成と粒径の異なるMPを対象とし、その慢性飲水摂取が糖尿病の発症・悪化に及ぼす影響を評価する。この目的を達成するため、以下の2つの研究計画を進めた。 (1)MPの慢性飲水摂取による糖尿病の発症・悪化影響の評価、及び、Dysbiosisとエンドトキシン血症の解析(担当:濵口・福井)(2)ラマン散乱分光法によるMP 浸透の確認と組織学的評価(2023‐2025 年度、担当: 高野・濵口) 本年度は第一年度として、(1)MPの慢性飲水摂取による糖尿病の発症・悪化影響の評価、及び、Dysbiosisとエンドトキシン血症の解析(担当:濵口・福井)では、野生型マウス(C57BL/6J)にポリスチレン(PS, 粒径:0.5μm,10μm, 100μm)、ポリエチレン(PE, 粒径:10μm, 100μm)を高脂肪食に10mg/kgBWで混餌投与し、連日のMPの摂取を再現した。当初計画では飲水投与を予定していたが、ポリスチレン以外のMPでは飲水中に均等に浮遊させることが困難であることが判明し、混餌投与に計画を変更した。毒性の評価として、糖尿病の発症・悪化、Dysbiosis、Leaky Gut症候群、慢性炎症を評価する。(2)ラマン散乱分光法によるMP 浸透の確認と組織学的評価(担当: 高野・濵口)では、蛍光顕微鏡を搭載したレーザーラマン顕微鏡において、MP単独でのポリスチレンのスペクトルの検出には成功している。また、生体上に散布したMPの検出も概ね実施可能である。今後は蛍光MPを用いて、MPを曝露したマウスのサンプルにおいて、小腸組織内に取り込まれたMPの検出し、MPの小腸での局在を評価する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の計画は、(1)MPの慢性飲水摂取による糖尿病の発症・悪化影響の評価、及び、Dysbiosisとエンドトキシン血症の解析(担当:濵口・福井)では、野生型マウス(C57BL/6J)にポリスチレン(PS, 粒径:0.5μm,10μm, 100μm)、ポリエチレン(PE, 粒径:10μm, 100μm)を高脂肪食に10mg/kgBWで混餌投与し、連日のMPの摂取を再現した。毒性の評価として、糖尿病の発症・悪化、Dysbiosis、Leaky Gut症候群、慢性炎症を評価する。小腸内容物に残留するPS, PEを定量し、PS, PEの粒径と残留量及び毒性の関連を明らかにする。ラマン散乱分光法によるMP 浸透の確認と組織学的評価(担当: 高野・濵口)では、蛍光顕微鏡を搭載したレーザーラマン顕微鏡において、蛍光0.5μm MP単独でのポリスチレンのスペクトルの検出には成功している。また、生体上に散布したMPの検出も概ね実施可能である。今後は蛍光MPを用いて、MPを曝露したマウスのサンプルにおいて、小腸組織内に取り込まれたMPの検出し、MPの小腸での局在を評価する予定である。研究実績の概要に記述したように、研究計画はほぼ達成されたと判断されたため、おおむね順調を選択した。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究計画では、組成と粒径の異なるMPを対象とし、その慢性飲水摂取が糖尿病の発症・悪化に及ぼす影響を評価する。また、肺局所における免疫・炎症応答と遠隔臓器への波及効果に焦点を当て、影響発現メカニズムを明らかにする。一方、影響悪化に寄与する成分組成や発生源を同定する。この目的を達成するため、以下の2つの研究計画を進めていく。(1)MPの慢性飲水摂取による糖尿病の発症・悪化影響の評価、及び、Dysbiosisとエンドトキシン血症の解析(担当:濵口・福井)(2)ラマン散乱分光法によるMP 浸透の確認と組織学的評価(2023‐2025 年度、担当: 高野・濵口) 本年度は、第二年度として、(1)MPの慢性飲水摂取による糖尿病の発症・悪化影響の評価、及び、Dysbiosisとエンドトキシン血症の解析(担当:濵口・福井)では毒性の評価として、糖尿病の発症・悪化、Dysbiosis、Leaky Gut症候群、慢性炎症を評価する。小腸内容物に残留するPS, PEを定量し、PS, PEの粒径と残留量及び毒性の関連を明らかにする。(2)ラマン散乱分光法によるMP 浸透の確認と組織学的評価(2023‐2025 年度、担当: 高野・濵口) では、蛍光顕微鏡を搭載したレーザーラマン顕微鏡において、蛍光0.5 μm MP単独でのポリスチレンのスペクトルの検出には成功している。また、生体上に散布したMPの検出も概ね実施可能である。今後は蛍光MPを用いて、MPを曝露したマウスのサンプルにおいて、小腸組織内に取り込まれたMPの検出し、MPの小腸での局在を評価する予定である。
|