研究課題/領域番号 |
23K09663
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 福岡県保健環境研究所 |
研究代表者 |
中村 麻子 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 研究員 (50734779)
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研究分担者 |
重村 洋明 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 研究員 (50761540)
小林 孝行 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 研究員 (90787194)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 呼吸器ウイルス / 高齢者肺炎 / 次世代シークエンス法 / マルチプレックスPCR法 / ターゲットキャプチャー法 / 分子疫学 / 分子疫学解析 / プローブキャプチャ―法 / 次世代シークエンサー |
研究開始時の研究の概要 |
肺炎は日本の高齢者の主要な死因であり、呼吸器ウイルスは肺炎の主な原因であるが、高齢者肺炎の原因ウイルスの現状は十分に明らかになっていない。また、原因ウイルス探索のためPCR検査を実施するが、標的に含まれないウイルスは検出できない。そこで、本研究では新型コロナウイルス検査のため収集された肺炎患者由来検体を用い、高齢者肺炎患者の原因ウイルスの検出、検出ウイルスの分子疫学解析、ウイルス検出および分子疫学解析のための新規検出系の開発の3点を目的とする。本研究により、高齢者肺炎の原因ウイルスおよび流行状況を明らかにすることで診断・治療及び感染予防対策の一助となることが期待される。
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研究実績の概要 |
日本の高齢者の主要な死因である肺炎の主な原因は呼吸器ウイルスであるが、その現状は十分に明らかになっていない。本研究では、高齢者肺炎の原因ウイルスについて明らかにするため、2020年から2022年にかけて新型コロナウイルス検査のため収集された1,200検体(65歳以上の高齢者検体を7割含む)を用い①高齢者肺炎患者の検体から原因ウイルスの検出を行うこと、②検出されたウイルス遺伝子配列を用い分子疫学解析により流行状況や症状との関連を明らかにすること、③ウイルス検出および分子疫学解析が効率的に行える検出系を確立することを目標とした。 本年度は、1,200検体から病原体ゲノムを抽出し、そのうち743検体について16種類の呼吸器ウイルス、マイコプラズマおよびクラミジアを検出するマルチプレックスPCR法により病原体検出を行った。アガロースゲル電気泳動により陽性バンドが確認された検体のPCR産物についてキャピラリーシークエンサーを用い遺伝子配列を決定した後、BLASTを用いた相同性解析により病原体の同定を行った。その結果、92検体から病原体が検出された。その内訳は、30検体からヒトライノウイルス、29検体からヒトメタニューモウイルス、16検体からヒトコロナウイルス(NL63, OC43, 229E)、12検体からマイコプラズマ、5検体からヒトパラインフルエンザウイルス、2検体からインフルエンザウイルスが検出された。92検体のうち3検体については、ヒトライノウイルスとヒトコロナウイルス(OC43)、ヒトコロナウイルス(229E)およびマイコプラズマが同時に検出された。今後は未解析の457検体についてのマルチプレックスPCR法による病原体検出を行い、検出されたウイルス等の遺伝子配列を用い分子疫学解析を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
人事異動による配置転換に伴う研究環境の変化があったため。また、使用を予定していたweb上の解析ツールの使用が困難となったため。
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今後の研究の推進方策 |
使用が困難となったweb上のツールに代わる解析ツールが使用できるようになったため、予定通り肺炎検体の次世代シークエンサーを用いた網羅的な解析を実施する。 未解析の約500検体について、マルチプレックスPCR法により起因ウイルス等の検出を行い、検出されたウイルス遺伝子について分子疫学解析を進めていく。
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