| 研究課題/領域番号 |
23K09666
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| 研究種目 |
基盤研究(C)
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| 配分区分 | 基金 |
| 応募区分 | 一般 |
| 審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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| 研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
松嵜 葉子 山形大学, 医学部, 准教授 (00292417)
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| 研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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| 配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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| キーワード | 呼吸器ウイルス / インフルエンザ / 抗原変異 |
| 研究開始時の研究の概要 |
ある時期に地域で流行する呼吸器ウイルスは一種類ではなく、同時に流行するウイルスの重複感染による重症化が懸念される。PCR検査の導入で重複感染例が増えることが予測され、起因ウイルスの特定と同時に、それぞれのウイルスの生態を明らかにする重要性が増している。本研究では、長期間のサーベイランスで得たウイルスの性状を経時的に解析することにより、それぞれのウイルスの季節性・周期性、抗原変異の実態と変異がもたらす地域流行への影響を明らかにする。
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| 研究実績の概要 |
COVID-19のパンデミック以降に呼吸器ウイルスの流行が回復していく過程を、山形県内でのサーベイランスを基に解析した。その結果、各ウイルスの回復過程に宿主側の因子が関連する可能性が想起された。現在、その関連について解析を行っている。 重複感染例を収集する過程で、B型インフルエンザの山形系統とビクトリア系統に同時に感染した小児例に遭遇し、その体内で様々な種類の再集合体が産生されていることを明らかにした。2023-2024シーズンに山形県や各地で分離されたB型インフルエンザウイルスと比較したところ、同じ遺伝子分節の組み合わせを持つ株はなかった。B型インフルエンザの分子進化や流行に及ぼす遺伝子再集合の意義についての成果をまとめ、論文発表と学会発表を行った。 ビクトリア系統のB型インフルエンザウイルスに対する単クローン抗体を用いてエスケープ変異株を多数採取し、その変異か所を検索して中和エピトープの同定を行った。その結果、HA1蛋白の160ループと190ヘリックスの位置にエピトープが存在することが明らかになり、既報のデータとも一致した。160ループに変異を持つ4株と190ヘリックスに変異を持つ2株のエスケープ変異株の増殖能を親株と比較したところ、増殖が亢進あるいは低下する株の存在が明らかになった。抗原変異株として生き残る可能性を解析する材料として今後の研究に使用できる。 C型インフルエンザは1年おきの偶数年の流行だったが、2023年に大きな流行があった。奇数年の流行に変わった可能性があったが、2025年4月現在、2023年以降の検出は無い。海外からの報告もないため、2023年の流行株の抗原解析・遺伝子解析を進め、流行が拡大しない要因について検討を行っている。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
令和6年度は、パラインフルエンザの流行が小規模で解析対象が少なく、C型インフルエンザの流行もなかった。一方で、B型インフルエンザの解析は順調に進み、山形系統とビクトリア系統の2株に同時感染した小児の一例を初めて報告することができた。また、ビクトリア系統の中和エピトープの同定と変異の許容性について解析を進めることができた。
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| 今後の研究の推進方策 |
山形県内でCOVID-19のパンデミック以降に呼吸器ウイルスの流行が回復していく過程を、様々な方向から解析する。 パラインフルエンザウイルスの解析を今後も継続し、COVID-19以前の検出株の遺伝子解析を実施する。 C型インフルエンザについては、2023年の分離株すべての抗原解析と分子系統樹解析を継続して行う。 ビクトリア系統のB型インフルエンザの解析で判明した中和エピトープを認識する単クローン抗体を用いて、これまでのビクトリア系統株の抗原変異について解析を行う。ドリフト株の産生にかかわるエピトープの同定が期待できる。
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