研究課題/領域番号 |
23K09670
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
景山 誠二 鳥取大学, 医学部, 教授 (60252706)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | インフルエンザ / インフルエンザウイルス / インドネシアのインフルエンザウイルス変異株 / 日本に侵入するインフルエンザウイルス / インフルエンザウイルスの増殖能の違い / インドネシアと日本のインフルエンザウイルスの違い / 変異株への治療薬の効果 / 変異株への中和抗体応答能 / 東南アジア / 日本 / 事前予測 / 増殖能 |
研究開始時の研究の概要 |
『ヒトインフルエンザウイルスが常在する地域は、インドネシアを含む東南アジアの熱帯地域であり、ここでは絶えず感染連鎖が繰り返され、変異株が蓄積されている。この地域の優勢株は増殖能の高い株であり、変異する間もなく日本の冬に侵入し、インフルエンザ流行を起こす。』との仮説を設定し、実地検証を試みる。本研究において、この仮説が立証できれば、日本流行株の事前予測がインドネシア等において可能になり、日本における効率のよいワクチン株の選択につながり、流行規模の抑制に大きな効果が期待できる。
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研究実績の概要 |
先行研究による「ヒトインフルエンザウイルスの常在地は東南アジア地域である」との推測に加えて、我々は「日本に侵入する流行株の主流は高い増殖能を持った株であり、これらの流行株の遺伝子配列は100日以上変異しない」ことを観察した。これらの結果に基づき、『ヒトインフルエンザウイルスが常在する地域は、インドネシアを含む東南アジアの熱帯地域であり、ここでは絶えず感染連鎖が繰り返され、変異株が蓄積されている。この地域の優勢株は増殖能の高い株であり、変異する間もなく日本の冬に侵入し、インフルエンザ流行を起こす。』との仮説を設定し、実地検証を試みている。 検証項目は以下の通りである。(1)インドネシアには、一年中インフルエンザウイルスは存在するか。(2)インドネシアでは、常に変異株が生まれているか。(3)インドネシアにおける優勢株は増殖能の高いものであるか。(4)インドネシアと日本の流行株の中に同一株を同定できるか。(5)同一株は増殖能の高いものであるか。 インドネシア共和国ブラビジャヤ大学から来日中の大学院生と母大学との協力体制を、大学立地地域であるマラン市に確立した。インフルエンザ様症状の疾患、インフルエンザウイルス抗原陽性の2項目の検討結果、インドネシア・マラン市においては一年中インフルエンザウイルスの感染連鎖が途切れないことが強く推定された。当地での分離株は同時期に鳥取県米子市において分離された株と類似し、前年度の鳥取県米子市分離株とは異なっていた。これらの事実は、インドネシアにおける流行株の変異スピードと日本に侵入する株の変異スピードは同様であり、おそらく世界中に流行するインフルエンザウイルスは同じスピードで変異しているものと推測された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)インドネシアには、一年中インフルエンザウイルスは存在するか。(2)インドネシアでは、常に変異株が生まれているか。(3)インドネシアにおける優勢株は増殖能の高いものであるか。(4)インドネシアと日本の流行株の中に同一株を同定できるか。(5)同一株は増殖能の高いものであるか。インドネシアのマラン市に調査拠点を築くことができ、上記の検証項目のうち、(1)について、1年分の結果を得た。
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今後の研究の推進方策 |
検証項目:(1)インドネシアには、一年中インフルエンザウイルスは存在するか。(2)インドネシアでは、常に変異株が生まれているか。(3)インドネシアにおける優勢株は増殖能の高いものであるか。(4)インドネシアと日本の流行株の中に同一株を同定できるか。(5)同一株は増殖能の高いものであるか。以上について検証を重ねる。
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