研究課題/領域番号 |
23K09684
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所 |
研究代表者 |
東 雄貴 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 研究員 (60880466)
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研究分担者 |
坂本 裕介 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 衛生化学部, 研究員 (40982153)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 乱用薬物 / 合成カンナビノイド / 肝障害 / 反応性代謝物 / 質量分析 / 代謝物分析 / 薬物性肝障害 |
研究開始時の研究の概要 |
乱用薬物のうち合成カンナビノイドは死亡事例を含む重度の肝障害をたびたび引き起こす。これまでの研究では、薬物そのものが原因だと考えられてきたが、近年「反応性代謝物」が注目されている。反応性代謝物は肝細胞に強い毒性を持つ化合物で、親化合物の部分構造から予測することができる。合成カンナビノイドの分子構造には、反応性代謝物を生じる部分構造があるため、その関与が疑われているが、その実態は明らかではない。本研究では、合成カンナビノイドの親化合物と代謝物の両方が肝障害にどのように影響するか解明し、肝細胞障害の要因を検証することを目的としている。
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研究実績の概要 |
乱用薬物のうち合成カンナビノイドは死亡事例を含む重度の肝障害をたびたび引き起こす。これまでの研究では、薬物そのものが原因だと考えられてきたが、近年毒性が高い「反応性代謝物」が注目されている。本研究では、合成カンナビノイドの親化合物と代謝物の両方が肝障害にどのように影響するか解明し、肝細胞障害の要因を検証することを目的とした。令和5年度においては、反応性代謝物の検出系の構築を実施した。反応性代謝物を生じる陽性化合物をヒト肝ミクロソームで代謝反応させた。反応性代謝物は構造変化が起きやすい性質のため、誘導体化試薬を用いて付加体を作製し安定な構造へと処理した。その付加体を液体クロマトグラフ-四重極飛行時間型質量分析計 (LC-QTOF/MS)を用いて高感度で検出可能な代謝反応条件 (試薬濃度や酵素反応時間など) を検討した。その結果、感度良く付加体を検出する最適化条件を見出した。この最適化条件を用いることにより、反応性代謝物の組成式特定および部分構造推定が可能な検出系が構築できたと考えている。なお今回用いた誘導体化試薬では検出が困難な反応性代謝物が存在する。今後は別の付加体形成機構をもつ誘導体化試薬を用いて反応性代謝物検出系の構築を行い、検出系の網羅性を高める。構築した検出系を対象としている合成カンナビノイドに適応し代謝反応中の反応性代謝物を分析する。また肝細胞を用いて毒性評価を行うための実験系の構築を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた反応性代謝物検出系より網羅性が高い検出系を構築するため。目的達成の確度をあげることに繋がると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
別の誘導体化試薬を用いて網羅性が高い反応性代謝物検出系を構築する。肝障害の報告事例がある合成カンナビノイドを合成し、今年度構築した反応性代謝物検出系を適応する。また、肝細胞を用いて毒性評価を行うための実験系を構築する。
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