研究課題/領域番号 |
23K09710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
池田 奈由 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 国際栄養情報センター, 室長 (20573603)
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研究分担者 |
西 信雄 聖路加国際大学, 専門職大学院公衆衛生学研究科, 教授 (80243228)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 医療経済的評価 / 循環器疾患 / 一次予防 / 生活習慣 / 薬物療法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、循環器疾患(CVD)の一次予防における公衆衛生的介入による疾病予防効果及び医療・介護費抑制効果を明らかにすることである。国民健康・栄養調査等の公的統計と、人口全体の薬物療法の治療効果に関する統計モデル及びCVD予防の医療経済的効果に関するシミュレーションモデルを用いる。ポピュレーションアプローチによる生活習慣改善及びハイリスクアプローチによる薬物療法といった複数の介入手段について、過去の効果の推定及び将来の効果の予測を行い、介入手段の間で比較する。限られた資源をより適切に配分し、医療経済的にも持続可能な健康長寿社会に向けた健康政策立案に資するシナリオを提案する。
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研究実績の概要 |
我が国の超高齢社会において、今後も高齢化率が上昇し、脳卒中等の循環器疾患に伴う医療費と介護費の増大が予想される。こうした社会負担の増加を抑制するためには、循環器疾患を適切に予防することが重要である。本研究は、日本の循環器疾患の一次予防における公衆衛生的介入による疾病の予防効果および医療費と介護費の抑制効果を明らかにし、医療経済的観点から見て持続可能な健康長寿社会を実現するためのシナリオを提案することを目的とした。 3年間の研究で3つの分析を行う。まず、過去20年間で達成された過去の効果を推定するとともに、将来、期待される効果を予測するため、国民全体のポピュレーションアプローチによる生活習慣の改善の効果を検討する(分析1)。次に、生活習慣の改善で高血圧と糖尿病、脂質異常症といった危険因子の有病割合を低下させた後、それらを保有する集団へのハイリスクアプローチによる服用割合の増加がもたらす治療効果および疾病の予防効果と薬剤費の増加の間のトレードオフについて検討する(分析2)。最後に、将来の疾病予防効果および医療費・介護費抑制効果について、複数の公衆衛生的介入手段の間で包括的に比較する(分析3)。 令和5年度には分析1を実施した。まず、データを入手するために、統計法(平成19年法律第53号)第33条の規定に基づき、厚生労働省に調査票情報の提供申請を行った。平成25年国民生活基礎調査・健康票に関しては8月に提供申請作業を開始し、同年9月に厚生労働省から承認を得てデータを入手した。平成15年から令和元年までの国民健康・栄養調査についても、8月に提供申請作業を開始し、11月に厚生労働省から承認を得てデータを入手した。その後、速やかにデータ解析に取り掛かり、生活習慣等の基本的な項目について姓・年齢階級別の分布や年次推移等を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度でデータ利用申請の際に担当省庁との申請内容の確認に時間がかかったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度には、令和5年度に開始した分析1(過去の生活習慣改善の効果の推定)の結果を得た後、分析2(過去の薬物療法の効果の推定)および分析3(将来の効果の予測)に取り組む。研究分担者から循環器疾患と公衆衛生的介入に関する専門的な知識を得るとともに、国内外の研究協力者から臨床的視点や国際的水準の分析評価手法に関する助言を受け、研究を進める。
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