研究課題/領域番号 |
23K09740
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
鈴木 越治 岡山大学, 医歯薬学域, 研究准教授 (10627764)
|
研究分担者 |
頼藤 貴志 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00452566)
篠崎 智大 東京理科大学, 工学部情報工学科, 准教授 (60644482)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 因果推論 / 疫学理論 / バイアス / 因果モデル / 因果関係 / グラフィカルモデル / メカニズム / 疫学 |
研究開始時の研究の概要 |
目に見えない因果関係に迫るためには、「因果推論」の高度な理論とデータ分析が必要である。本研究では、因果関係をメカニズムの観点から描く新たなグラフィカルモデルを開発し、因果関係を“可視化”する。さらに、「寄与危険度分画」や「ワクチンの有効性」などの最新の知見をもとに、効果的な介入プログラムを作成する理論を導き出し、「因果推論」研究を社会に実用することをめざす。
|
研究実績の概要 |
データに基づいて原因と結果の関係を見極め、その因果メカニズムを推論するためには、適切な因果モデルを構築して因果推論をする必要がある。今年度に実施した研究の成果として、医学研究で広く用いられる人口寄与分画について、関連リスク比と標準化死亡比をパラメータとして、どのような状況で誤差(バイアス)が生じるかを明らかにし、視覚的に示した。特に、partially adjusted Levin formulaと呼ばれる計算方法に伴う誤差に注目した。重要な因果モデルの一つである反事実モデルで人口寄与分画を定義し、ワイヤーフレームを用いて誤差を可視化した。本知見は、これまで長年混乱が見られていた人口寄与分画の理論を整理するものであり、因果関係の可視化に寄与する。研究成果をEpidemiologyに論文発表し、第34回日本疫学会学術総会で学会発表した。また、57th Annual Meeting of the Society for Epidemiologic Researchでも学会発表する予定である。現在、その研究成果を発展させる内容の論文を国際誌に投稿中である。 また、メカニズムの観点から因果関係を評価することに関して、57th Annual Meeting of the Society for Epidemiologic Researchで、マギル大学、ハーバード大学、スタンフォード大学、ノースカロライナ大学の研究者らとともに、シンポジストとして発表する予定である。 令和5年11月には、「因果関係に迫る疫学理論の構築とデータ分析」というテーマで日本医師会医学研究奨励賞を受賞した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たな疫学・統計学理論を構築し、筆頭著者として雑誌論文を発表したことに加え、学会発表を行って、積極的に研究成果を発信した。また、令和5年6月にハーバード大学で開催されたCAUSALabセミナーに参加したことに加え、国内外の研究者とも定期的に会合をもった。 令和6年度の学会でも、研究成果について発表する予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って、共同研究者らとの連携のもと研究を遂行する予定である。
|