研究課題/領域番号 |
23K09743
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森本 浩之輔 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (50346970)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 急性呼吸器感染症 / 病原体サーベイランス / サーベイランス / インフルエンザ様症状 |
研究開始時の研究の概要 |
参加医療機関が多忙な感染症流行期であっても継続できる急性呼吸器感染症(ARI)サーベイランス体制を構築する。発熱外来や救急外来をARI症状で受診する人を対象とし、研究への同意を取得し(現場の負担軽減のため電磁的同意を導入)、臨床症状・ワクチン接種歴などの情報と検体を保管する。検体は長崎大学において、14種類のウイルスと、6種類の細菌をターゲットとしたmultiplex PCRを用いて解析する。 結果を用いて唾液検体使用の妥当性と、サーベイランスデータとしての妥当性を検証する。 これにより、国内のより多くの医療機関の協力を得て長期的にARIサーベイランスを行うための課題と解決方法を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年5月をもって新型コロナウイルスの感染症法上の扱いが変更され、社会活動もパンデミック前の状態に戻りつつある。そのような中で、新型コロナウイルス以外の呼吸器病原ウイルスも徐々に増加している。この研究で行う急性呼吸器感染症の病原体サーベイランスは、パンデミック後の新型コロナウイルスの流行状況に加え、それまで大幅に減少していたインフルエンザやその他のウイルスの流行状況を観察することが目的として挙げられる。試験的に長崎市内の一医療機関において急性呼吸器感染症の病原体検出を行ったところ、2023年10月以降の31例中(年齢中央値40歳)半数以上(17例)が新型コロナウイルスであり、他にはインフルエンザが3例、季節性コロナウイルスが2例、パラインフルエンザウイルス3が1例見られた。この分析では、長崎大学の研究室において呼吸器病原ウイルスのmulti-plex PCRを実際に行い、信頼性を確認した。 この一方で、新型コロナワクチンに関する研究グループ(VURSUSグループ)内において、新しい病原体サーベイランスを行う枠組み作りを開始した。医療機関では依然として新型コロナウイルスに対する警戒が続く一方、発熱外来の設置が解除されるなど変化しており、研究対象患者の選定、同意取得の方法、検体の採取や保管の方法について研究協力者と議論を進めた。これまで、2施設で患者からの同意取得や検体収集の実行について協力の意向が示された。新しい研究計画書の作成を開始しており、2024年度中には試験的なサーベイランスを開始できる状態になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
医療機関における新型コロナウイルス感染症に対する警戒感が残存していることによる新規臨床研究へ抵抗感、発熱外来の設置解除などの状況の変化のため、協力医師との話し合いが若干遅れ気味になった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度中に2つの医療機関において、試験的にサーベイランスを開始する。その進行状況や課題の抽出と解決をもって、グループ内の他の医療機関と研究参加の交渉を継続する。
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