研究課題/領域番号 |
23K09748
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
阿江 竜介 自治医科大学, 医学部, 教授 (70554567)
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研究分担者 |
濱田 洋通 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (10453789)
柴田 欣秀 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20633209)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 川崎病 / ヒト-ヒト間の接触 / 人流 / ビッグデータ解析 |
研究開始時の研究の概要 |
2020年以降における川崎病の発症動向を新型コロナウイルス流行前の同一期間と比較し、ヒト-ヒト間の接触と川崎病発症との関係について検討する。解析には、ヒト-ヒト間の接触状況の代替指標であるモバイル空間統計データと川崎病全国疫学調査のデータとを用いる。学校や保育園の休校(休園)状況、病原体が明確な感染症の発生数のほか、人口密度などの複数要因を統合したビッグデータ解析を行い、川崎病の発症にヒト-ヒト接触が関連することを証明する。本研究は、川崎病の原因究明に新たな展開をもたらすことが期待できる。
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研究実績の概要 |
コロナ禍以降、川崎病の発症が世界規模で減少していることに着目し、申請者は「ヒト-ヒト間の接触が川崎病の発症に影響している」という仮説を立てた。本研究では、コロナ禍前後の「人流」をヒト-ヒト間の接触状況の代替指標とし、仮説の検証をめざす。 初年度である令和5年度は(1)研究プロトコルを作成し、(2)倫理審査を受審した(現在審議中)。本研究は、申請者の所属で50年以上にわたり継続されている川崎病全国調査のデータを用いる。令和5年内に最新となる調査(第27回調査)が完了し、第1回以降すべての調査で得られた川崎病の患者情報が現在、当所属機関に既存データとして保管されている。研究倫理指針に厳正に準拠するために、令和5年度は川崎病全国調査データを統合解析できる研究課題「川崎病の大規模データを用いた探索的疫学研究」を新たに起ち上げ、これを基盤として本研究を実施する方針とした。本研究は令和6年度に別建ての研究プロトコルを作成して本格的に始動する。 (1)と(2)に並行して、令和5年度内に人流に関わるデータを取得した。(3)NTTドコモが提供する匿名化された大規模集団データ「モバイル空間統計」の購入 (4)国立感染症研究所が提供する感染症週報からのデータ取得(SQLによるデータベース形式によるデータベース化)(5)政府統計の総合窓口(e-Stat)から国勢調査データを取得し全国の市区町村の人口密度を算出(SQLによるデータベース形式によるデータベース化)が現段階で完了している。分担研究者の所属においてビッグデータ解析を実施できる環境がすでに整備されており、川崎病全国調査データ授受の許可申請が承認されればすみやかに探索的分析が実施できる状況を確保できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに研究が進捗できているため。
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今後の研究の推進方策 |
倫理審査を経て川崎病全国調査データ授受の許可承認を得たうえで、すべてのデータを統合し、探索的な解析を実施する。コロナ禍前後(2017~2019年 versus 2020~2022年)における川崎病の発症動向を比較検討し、ヒト-ヒト間の接触と川崎病発症との関係を検証する。モバイル空間統計データにより可視化された学校や保育園の休校(休園)中の人流変化、感染症週報データによる病原体が明確な感染症の発生数変化、さらに全国の市区町村の人口密度など、複数の要因を統合した探索的なビッグデータ解析を実施する。
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