研究課題/領域番号 |
23K09749
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
桑原 恵介 横浜市立大学, データサイエンス研究科, 准教授 (70635226)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 精神疾患 / 長期疾病休業 / 勤労者集団 / 身体活動 / コホート研究 / 疫学 |
研究開始時の研究の概要 |
労働者の疾病による休職(疾病休業)は社会経済活動に影響を与える深刻な社会課題である。疾病休業の主な原因疾患である、うつ病などの精神疾患の発症予防には、身体活動が関わることはわかってきた。しかしながら、身体活動が精神疾患による休職リスクを低下させるかどうかは、よくわかっていない。また、身体活動は場面(例:余暇、仕事、通勤)によって影響が異なる可能性はあるが、場面別に身体活動と疾病休業との関連を見た研究も乏しい。本研究では職域健康診断情報および約10年分の疾病休業情報を用いて、日本の労働者約5万名を対象に場面別の身体活動と精神疾患による休職との関係を明らかにする。
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研究実績の概要 |
少子高齢化の進展が著しい本邦では、労働力を確保するために、勤労者集団が健康に働けることが益々重要となっている。日本の職場における労働力損失の最大の原因疾患は、精神疾患であることが報告されている(Inoue et al., J Epidemiol, 2021)。そこで、本研究の目的は、日本の勤労者集団における身体活動と精神疾患による長期休業との関連を明らかにすることとした。研究デザインはコホート研究である。対象集団は職域多施設研究(J-ECOHスタディ)の運動疫学サブコホートから、2011年度または2010年度(ベースライン)に定期健康診断を受診した者を抽出した。研究用レジストリに登録された長期疾病休業情報をもとに、精神疾患による長期疾病休業の観察期間中の初発を同定した。長期疾病休業の観察期間は、データクリーニングの済んでいる2012年度から2021年度までとした。精神疾患は、休業の原因疾患に対して割り当てられた国際疾病分類(ICD)-10コードに基づき定義した。解析ではCox比例ハザードモデルを用いて、精神疾患による長期疾病休業発生の調整済みハザード比とその95%信頼区間を算出した。曝露はベースライン(2011年度。2011年度の情報がない場合は2010年度)の余暇の身体活動、仕事中の身体活動(座り作業、立ち作業、歩き作業、よく体を動かす作業)、主な通勤手段とした。これらの身体活動と精神疾患による長期疾病休業発生との関連を大まかに評価した。得られた知見の一部については、抄録としてまとめ、2024年度に開催される第97回日本産業衛生学会(広島)に演題登録を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究に用いるデータセットについてクリーニングが概ね完了し、健康診断情報および長期疾病休業を含む打ち切り情報を規定するためのデータセットの突合が完了し、基礎的な解析が済んだため。
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今後の研究の推進方策 |
ベースライン(2011年度または2010年度)と2012年度以降に発生した精神疾患による長期疾病休業リスクとの関係について論文化を進める。
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