研究課題/領域番号 |
23K09752
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58030:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含まない
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
川合 紗世 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60567014)
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研究分担者 |
奥田 真珠美 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (40531091)
垣内 俊彦 佐賀大学, 医学部附属病院, 病院講師 (50737864)
菊地 正悟 愛知医科大学, 愛知医科大学, 名誉教授 (40224901)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 胃がん予防 / ピロリ菌除菌 / 中高生 / 行政主導 / 経済分析 / H. pylori / ピロリ菌感染対策 / 医療費 |
研究開始時の研究の概要 |
胃がん一次予防を目指して中高生を対象としたピロリ菌感染検査・除菌治療を公費負担で行う事業が一部の自治体で開始されているが、これらの介入的な医療行政活動に対する慎重論もある。 本研究の目的は、行政主導の中高生向けピロリ菌感染対策事業で期待される胃がん罹患率の減少効果をモデル化し、この事業を全国に広めることの是非を検討するための経済分析データを構築することである。推計には実際の自治体事業経費実績データをパラメータとして用い、ピロリ菌感染率が減少した社会における胃がんリスクへの意識低下などの負の側面も考慮し、今後の議論の根拠として耐えうる客観的な基礎データを構築する。
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研究実績の概要 |
胃がんの一次予防を目指して中高生を対象としたピロリ菌感染検査および除菌治療を公費負担で行う自治体が増えているが、これらの介入的な医療行政活動に対する慎重論もある。 本研究の目的は、行政主導の中高生向けピロリ菌感染対策事業により期待される胃がん罹患率の減少効果をモデル化し、この事業を全国に広めることの是非について議論の根拠となりうる医療経済面からの客観的な基礎データを構築することである。 2023年度は中学生を対象にスクリーニング検査を行って精密検査によりピロリ菌感染が確定した生徒に対して除菌治療を勧め、行政が医療費を負担してピロリ菌除菌を行うことにより得られる将来の胃がん罹患者数を推計した。ピロリ菌感染検査及び除菌治療を行う場合と行わない場合について、胃がん発症の自然史に基づいて決定木を作成し、マルコフモデルを用いて男女別に15歳から85歳までの胃がん累積罹患リスクを推計し、研究協力自治体から得たピロリ菌感染対策事業の経費実績データを用いて費用効果分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力自治体の中学生に対してスクリーニング検査および陽性者への精密検査を行ってピロリ菌感染率を調査し、感染者のピロリ菌除菌治療希望率を踏まえた85歳までの胃がん罹患者数を推計することができた。さらに検査から除菌までに各自治体が負担した金額をもとに、一人の胃がんを予防するのにかかる費用を算出した。
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今後の研究の推進方策 |
高校生までに行政負担でピロリ菌除菌を行った場合、ピロリ菌未感染者およびピロリ菌未治療者を含めてその後の胃がん検診や胃がん発症の際の治療費等を複数条件分けして費用便益分析を行う予定である。並行して、中高生がピロリ菌感染検査およびその後の胃がん検診に対してどのような意識を持っているのかについてアンケート調査を実施するための準備を進める。
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