研究課題/領域番号 |
23K09804
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
木佐貫 尚美 安田女子大学, 看護学部, 講師 (40880406)
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研究分担者 |
山本 雅子 安田女子大学, 看護学部, 教授 (30325378)
高瀬 美由紀 安田女子大学, 看護学部, 教授 (50437521)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 夜勤適応 / 新人看護師 / プログラム開発 |
研究開始時の研究の概要 |
新人看護師は,入職後3ヶ月から6ヶ月頃にリアリティショックに陥り離職願望が強くなるといわれている。この頃は,実施できる看護技術も限られており,優先順位の判断や多重課題への対応も困難な時期である。しかし,多くの新人看護師がこの時期に夜勤を開始する。夜勤では,日勤と比べ勤務者数が減少する一方で,日常生活援助が多く複雑で難しい状況が存在する。さらに,新人看護師は夜勤開始に伴い,新たな生活リズムを確立する必要がある。本研究の目的は,新人看護師が夜勤を開始する際に必要なレディネスを明らかにし,夜勤への準備性を高める支援を促進するための夜勤適応支援プログラムを開発することである。
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研究実績の概要 |
総合病院の病棟に勤務する看護師経験年数1年未満の新人看護師15名を対象者として、新人看護師が夜勤を遂行する上で直面している困難について半構造化面接から得られたデータを主題分析した。その結果、「円滑な業務遂行が困難」「患者の状態に適した看護展開が困難」「主体的な行動の要求への対応が困難」「良好な連携を築くことが困難」「体調を整えることが困難」という5テーマが確認され、各テーマは勤務帯に関係なく新人看護師が看護を実践する上で抱える困難と、夜間特有の困難に分類できた。夜勤遂行では、時間の制約や限られた人数での勤務であることより、新人看護師が一般的に感じる困難に加え、夜勤特有の困難を抱えており、夜勤導入時には夜勤に特化したレディネスが必要であることが示唆された。特に夜勤では、時間管理の向上を図ること、クリティカルシンキングを活かした看護過程の強化、医師との良好な連携、睡眠リズムを整えるなどの体調管理が求められる。また、急変時の対応など新人看護師にとって難易度の高い対応は、ストレスとならないように先輩看護師の細やかなサポートなど夜勤に特化した支援が必要である。 また、新人看護師の職業レディネスについて文献レビューを行った。医中誌Web、PubMed、CINAHL with Full Textから15文献が選定され、これらの文献から新卒看護師の職業レディネスに関する因子を抽出し、質的帰納的に分析した。その結果、新人看護師の職業レディネスとして【適切な看護ケアの提供】【良好な関係構築】【組織的な役割遂行】【専門職としての使命感】【状況変化に対する適応】の5カテゴリーが抽出された。上記から、新卒看護師が職業人として自立するためには、看護師としての実践的準備のみならず、心理的準備も必要であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度の計画は、夜勤開始レディネス尺度の原案の作成を行うことであった。現在、新人看護師が夜勤を遂行する上で直面している困難について半構造化面接から得られたデータと、文献レビューの結果をもとに夜勤開始レディネス尺度項目の生成を実施している。「新人看護師の職業レディネスに関する文献レビュー」については、論文投稿を行った。また、「新人看護師が夜勤を遂行する上での困難」については、英語論文を投稿中である。データ分析と論文執筆を同時進行で行ったため、やや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
新人看護師の夜勤開始レディネス尺度の原案を完成させ、尺度の信頼性と妥当性を検証するための調査が実施できるよう研究計画書を作成し、倫理審査委員会に申請を行う。さらに、倫理審査委員会の承認後、研究計画書に沿って調査を実施する。
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