研究課題/領域番号 |
23K09813
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
山口 みのり 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (00369480)
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研究分担者 |
成瀬 早苗 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (60620614)
服部 美穂 人間環境大学, 看護学部, 准教授 (90639551)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2027年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | COVID-19 / 新人看護師 / 臨地実習経験 / 看護実践能力 / 看護技術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、COVID-19感染拡大下において、臨地実習が学内実習等に代替措置され学士課程を修了した新人看護師の看護実践能力と困難感を明らかにし、臨地実習の経験不足から生み出される実践能力の課題を可視化して、今後の学士課程教育と新人看護師教育のあり方を検討し、両者における新たな教育方略を提案するものである。 調査は看護学士課程教育を修了した新人看護師を対象とし、学生時の実習実態と入職後の看護実践能力について自記式質問紙調査を行う。また、面接調査から実践能力に関する困難感を聞き取り、コロナ禍に学士課程を修了した新人看護師の看護実践能力を明らかにする。
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研究実績の概要 |
2019年度末よりCOVID-19が流行し、2020年度、看護師養成機関では臨地実習から学内実習に変更した事案が多く報告され、その後も各大学が断続的に学内実習に切り替え対応した。具体的にみると、2019年度入学生(2023年3月卒業)は、1年次末より臨地実習中止が相次いだため、1年もしくは2年次の基礎的な臨地実習はもとより、2021年度3年次、2022年度4年次の臨地実習もできていないことが推測される。2023年度末の時点で臨地実習を十分に経験できていない看護学生が就職することが見込まれることから本研究の着想を得た。 研究目的は、「看護学士課程教育を修了した新人看護師を対象に調査し、学生時の実習実態と入職後の看護実践能力について自記式質問紙調査を行う。また、面接調査から実践能力に関する困難感を聞き取り、コロナ禍に学士課程を修了した新人看護師の看護実践能力を明らかにする。」ことである。2023年度は、新人看護師の看護実践能力の測定に用いる尺度の検討を行い、質問紙調査票を作成する予定であった。 しかし検討過程で、「COVID-19パンデミックにおける新人看護師の経験と思い」のスコーピングレビューを行ったところ、新人看護師の状況は多岐にわたることが見出された。また、尺度を用いた質問紙調査をしても、実践能力の測定結果が必ずしもCOVID-19に依拠せず分析困難であること、質問紙を用いて実践を実態調査することの限界等から、先んじて面接調査を行うことに計画を変更した。 対象者のレディネスから検討し、2023年度就職した新人看護師を対象とすることが望ましいと考え、年度内にフォーカスグループインタビューを行った。同時にその新人看護師を指導する立場にある先輩看護師にもフォーカスグループインタビューを実施し、COVID-19前後で新人教育に変化があるかどうかを中心にインタビューした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定では、2023年度に、新人看護師の看護実践能力の測定に用いる尺度の検討し、質問紙調査票を作成することを計画していた。よって文献検討にとどまり調査は予定していなかった。2024年度にパイロットスタディを経て本調査を実施し、面接調査は2025年が目標であった。 しかし、国内外の文献検討をしているなかで、学生時の臨地実習経験は問わずCOVID-19のさなかに就職した新人看護師の実態については複数報告が挙がっていることがわかった。そこで、「COVID-19パンデミックにおける新人看護師の経験と思い」をテーマにスコーピングレビューに着手した。2023年4月の時点で着手することができ、年度内に一定の結果を見出すことができた。またその結果により、計画は変更となったが、面接調査のための研究計画書の作成、研究倫理審査の通過を経て、臨床フィールドを開拓してインタビュー調査に取り組むことができている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度フィールド開拓する過程で、COVID-19感染拡大により臨地実習経験が不足した新人看護師について、現場の看護部ともディスカッションする機会を得た。そのなかで、今回インタビュー調査を実施した2023年度卒の新人看護師に限らず、近年の新人看護師の実態を聞くことができた。例えば、2022年度に入職した新人看護師も、2018年度に大学に入学したのち、2020年度3年次、2021年度4年次と進級し、臨地実習を経験できていない者が多い。一方、新人看護師を迎える施設側もCOVID-19の対応に追われ、新人看護師の教育体制に大きな影響があったことは想像に難くない。COVID-19パンデミック前に同調査をしていないため、パンデミック前後の比較は困難であるが、本調査を継続して行っていくことにより、COVID-19の影響が少なからず収まったのちに、今現在とどのような変化が起こりうるかは検討できる。よって、引き続き調査を進めることを検討している。 質問紙調査については、フォーカスグループインタビューの結果を分析しながら、引き続き、内容と時期を検討していく。
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