研究課題/領域番号 |
23K09834
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
竹野 ゆかり 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (20509088)
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研究分担者 |
藤本 悦子 一宮研伸大学, 看護学部, 教授 (00107947)
中西 啓介 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (10464091)
間脇 彩奈 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (10533341)
有田 広美 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (30336599)
大島 千佳 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (30405063)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | リンパ浮腫 / 皮下組織 / タンパク質動態 / 水分動態 / 動物実験 / タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
リンパ浮腫とは、がん手術に伴うリンパ節郭清により、その部位の遠位側に組織間液が貯留することである。組織間液の主な成分は水分であるが、水分のほかにタンパク質が過剰に貯留するのが特徴である。皮下組織におけるタンパク質の蓄積は膠質浸透圧の低下をもたらし、さらに多くの水分を血管外に引き出すことにより持続的なむくみをもたらす。リンパ浮腫は一旦生じると完治することは難しい。 これまで、リンパ浮腫の特徴であり、水貯留の原因となる皮下組織のタンパク質とその量については注目されてこなかった。むくみを予防し、進行を食い止めるにはタンパク質が貯留しない、または排出を促進させるといった新しい着眼点が必要である。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、リンパ浮腫の特徴である皮下組織内のタンパク質について解剖生理学、分子生物学的側面から解析を行い、リンパ浮腫の評価をすることである。本研究では、動物を用いてリンパ浮腫を作製し、リンパ浮腫を継時的に評価すること、並びに、タンパク質や水分動体について把握すること、そして最終的にこれらのデータを用いて浮腫の新しい評価基準を作成することである。 2023年度は、動物を用いてリンパ浮腫を作成することを中心として行った。浮腫を継時的に見ることから、まず長期間浮腫にさらすためのモデル動物を作成し、後肢のリンパ浮腫の状態を確認している。その後、期間をおきながら、同一部位にリンパ浮腫を作成している。リンパ浮腫を作成した後、患肢は一時的に肥大し、リンパ動態は変化した。その後、リンパ動態は変化したままであったが、患肢の外見的サイズは元に戻る、または若干小さくなるのではないかと思われた。そのため、筋肉量との関係を見るために、ビタミンDと筋肉量との関係を調べている。浮腫作成からの期間も短かく、サンプル数も少なかったため統計学的な処理はできなかったが、浮腫作成前と比較して、下肢筋肉は減少していた。またビタミンDとの因果関係については不明であった。 リンパ採取については、胸管にシリコンチューブを挿入することを試みているが、時間的にも技術的にも安定して行えるまでには至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リンパ浮腫の進行とタンパク質・水分動態との関係を見ることを目的としているため、初年度は長期にリンパ浮腫状態におくモデル動物を作成することを中心として行った。 また予定通り、リンパ採取についても予定していた方法に加えて、他の方法も模索して行った。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度前半は、引き続き、リンパ浮腫モデル動物を作成していく。それと並行して、リンパ浮腫肢から皮下組織を採取し、解析を行なっていく。予定としては、タンパク質の解析としてPCRやウェスタンブロッティング、定量には分光光度計、またはELISAを用いる。 前年度も筋肉量について計測を行ったが、今年度も同様に測定していく予定である。統計的な処理が行えるよう、サンプル数を増やしていく予定である。
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