研究課題/領域番号 |
23K09859
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
渡邊 里香 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (30822762)
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研究分担者 |
眞鍋 雅史 嘉悦大学, 経営経済学部, 教授 (20537071)
芳賀 邦子 東京情報大学, 看護学部, 助教 (90792565)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 病院 / 看護師 / 夜勤 / 給与 / 雇用形態 / キャリア形成 |
研究開始時の研究の概要 |
育児期に所定外労働が少ない非正規雇用が選択肢となることは、職業能力開発の機会が少ない非正規雇用、所定外労働を前提として業務負担の大きい正規雇用のどちら側にも、キャリア形成が滞る構造がある。 非正規看護師のキャリア開発も正規看護師のワークライフバランスも両立する支援策として「多様な正社員」の普及政策は理論的には有効と考えられるが、雇用コストから組織にとってインセンティブは見えにくい。本研究では、育児期看護師を「多様な正社員」で雇用することによる成果は何か、を問いとし、看護師の雇用とキャリア開発に関する国際比較、雇用形態の差によるアウトカムの比較など、を通じて看護師のキャリア形成支援を検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の問いは、育児期看護師を「多様な正社員」で雇用することによる成果は何か、である。看護師の雇用形態による差について、既存のデータから勤務条件と業務内容を整理したところ、看護師における正規と非正規の違いは夜勤実施の有無と時間外労働時間数であった。夜勤が正規労働者になる壁になっているならば、夜勤を選好する要因を明らかにすることで、夜勤者を確保しさらに、正規雇用が選択肢となる雇用条件の提案につながると考えた。 そこで、2023年度は、病院で勤務する看護師を対象とし、夜勤に対する意向調査をwebアンケートにて実施した。アンケートは業者に委託し、500名のデータを入手した。①夜勤の実施の有無を目的変数、属性を説明変数としたロジスティック回帰分析、②夜勤実施者のなかで、今後夜勤を増やすことにポジティブかネガティブか、を目的変数、属性や夜勤手当を説明変数としたロジスティック回帰分析を実施した。夜勤実施、夜勤意向に関連する要因が明らかとなった。 経済的な報酬も要因に含めて検討し、その要因は正規雇用を選択することにつながる可能性がある。今後、看護師の雇用のあり方に示唆を得るため、看護労働のアウトカムに関する検討、労働供給に関する検討、海外での看護師雇用に関する情報収集などをすすめていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題に関する情報の整理から文献検討、初年度調査の研究計画作成、倫理審査までがスムーズにすすめることができたため、順調に伸展した。 また、調査目的や調査内容の特徴から、web調査の委託業者を通じて全国調査を行ったため、対象者のリクルートに時間を要しなかった点も、順調に伸展した理由である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度調査により、夜勤実施、夜勤意向に関連する要因が明らかとなった。 経済的な報酬も要因に含めて検討した。公定価格で医療サービスが提供されている日本でのこれまでの医療職の労働供給に関する検討内容や政策の方向性とはマッチしない可能性もあり、結果を学術集会や学術雑誌で報告することで、ディスカッションしていくことが重要であると考えている。 夜勤の選好要因は、労働者にとっては、正規雇用の選好要因ともなりうる。今後、看護師の雇用のあり方に示唆を得るため、海外での看護師雇用に関する情報収集などをすすめていく予定である。
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