研究課題/領域番号 |
23K09865
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
|
研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
廣井 寿美 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 講師 (10880685)
|
研究分担者 |
鶴田 晴美 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 教授 (10389752)
中嶌 広美 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (90910373)
桐山 勝枝 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 講師 (70412989)
伊藤 歩美 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 講師 (20910342)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 腰背部温罨法 / 体性-内臓反射 / 心拍変動解析 / 経穴 / 腸蠕動音 / 腸蠕動 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの有訴者が存在する便秘についての有効な看護技術のひとつに、腰背部温罨法がある。これまでに多くの報告がされ、現在は主要なテキストにも採用されている。この主要なメカニズムとして、皮膚から入る温熱刺激に対する反射により、自律神経活動が調整されることが示唆されている。本調査は、解剖学的な自律神経節の位置を考慮して、腰背部へ貼付する温タオルの温熱刺激による自律神経活動の変化と腸の蠕動運動を評価し、便秘に対する温熱刺激の効果的な部位を検討する。また、同じ範囲の腰背部に存在する経穴へ、限局した温熱刺激を与えることで、同様の効果が得られるかを検証する。
|
研究実績の概要 |
腰背部温罨法は、便秘に対する有効な看護技術であり、主要なテキストにも採用されている。すでにその効果については様々な報告があるが、その機序を科学的に裏付ける報告は少ない。今回の研究は、腰背部の限局した皮膚への温熱刺激に対する自律神経活動の変化と腸の蠕動運動を評価し、便秘に対する温熱刺激の効果的な部位を検討することを目的とする。 まず体性‐内臓反射に関与する交感神経節と副交感神経節の解剖学的部位をもとに温熱刺激を行う腰背部の範囲を限局し、自律神経機能の変化と、同時に腸管の蠕動運動の変化を評価する。解剖学的な構造に伴って、該当する皮膚上におこる反射に違いが生じれば、腰背部温罨法の機序の一部を明らかにすることにつながる。また、便秘に対する温熱刺激の効果的な部位の検討に役立つと考える。 実験は、健康な成人女性で、慢性的な便秘を自覚している者を対象に行う。腰背部温罨法は、日本看護技術学会が示す熱布罨法[丸山式]を使用する。温罨法を行う部位は、基準となるヤコビー線上(腰部群)、第3腰椎から上30㎝の範囲(背部群)、第2仙骨から下30㎝の範囲(殿部群)の3群にわけ実験を行う。サンプリングや群の偏りをなくすため、対象者を日本語版便秘評価尺度MT版で5点以上の者に限定し、ランダムに群間を割り付ける。自律神経機能の評価は、生体機能データ収録装置(Power Lab2/26)を用いて心電図を測定し、心拍変動解析を行う。消化管活動の評価は、腸音を高精度生体音マイクロフォンにて測定する。これらを介入前後と群間の比較を行うことで、部位の違いによる生体の変化を捉える計画である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画書を精選するうえで、関連する学会への参加を行い、チームで話し合いを持ち、適切なアウトカムやプロトコールの検討を約半年かけて行った。そのうえで、評価指標の測定に適した自律神経評価システムを選択し、12月に機器一式の購入を行った。これらの機器のセッティングや操作方法を取得したところで、あらためてプロトコールの検討を行うための、プレテストを計画している段階である。 2023年からの新カリキュラム改訂、2024年度の新校舎移転などに伴う業務量の増加があったこと、機器の選択や操作に慣れるために時間を要したことから、当初の計画よりもスケジュールの進行はやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度:自律神経機能と腸蠕動を測定するために必要な機器を購入し、操作に慣れることで、ほぼ実験実施の準備が整ったと考えている。これから条件を変えたプレテストをいくつか実施し、最終的なプロトコールを決定していく。プロトコールが決定したら、計画書を完成させ倫理員会へ申請を行い、2024年度中に実験に取り掛かる予定である。7~8月にかけて、新校舎への移転があるため、実験場所として考えている実習室の環境が整うのは秋以降と考えている。環境が整い次第、実験を開始する。 2025年度:採取した実験データをもとに、分析、論文化、学会発表を計画している。
|