研究課題/領域番号 |
23K09866
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
宮首 由美子 東京工科大学, 医療保健学部, 講師 (30736955)
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研究分担者 |
繁永 元樹 東京工科大学, 医療保健学部, 助手 (90974296)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | シミュレーション教育 / 教育自己評価 / 看護学教員 |
研究開始時の研究の概要 |
学生の技術習得を支援する教員がその教授活動を自己評価するために活用できる「看護学教員のためのシミュレーション教育自己評価尺度」を開発する。開発に向けては、まず、学生の看護実践のための技術習得の目標達成を支援する教員のシミュレーション教育における教授活動の全容を質的帰納的に解明する。次に、質的帰納的研究の成果を基盤とし、教員によるシミュレーション教育における教授活動を可能にする自己評価尺度を作成し、信頼性および妥当性を検証する。この尺度は教員個々のシミュレータ教育における自己の教授活動の明確化と教授活動の質の維持及び向上につながり、学生の技術習得の目標達成を促進する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、学生の技術習得を支援する教員がその教授活動を自己評価するために活用できる「看護学教員のためのシミュレーション教育自己評価尺度」を開発することである。令和5年度は、自己が実施したシミュレーション教育の実施状況を明らかにした。結果の分析は、教員のシミュレーション教育技術の評価方法や提供した看護技術による患者の身体への影響や技術の精確さを客観的に評価するシステム構築が課題となることを示した。この成果は、本研究の目的「教員の教授活動の自己評価尺度」に向けて、その必要性を裏付ける。また、看護学生2年生と4年生の臨地実習中の看護技術経験と技術レベル到達の状況を調査した。その結果は、日常生活援助技術に比べて、診療の補助業務に関わる看護技術の経験数の少なさと技術レベル到達度が低いことを明らかにした。このことは、学生が臨地実習中に診療の補助技術に関わる機会が少なく、さらにその技術練度も低い可能性を示した。これは、学生が4年間の基礎看護教育機関中に看護技術習得に向けて、学内のシミュレーション教育が必要であることを示唆する。また、学生は看護技術提供時に「ボディメカニクス」を十分に活用できていない状況がある。「ボディメカニクス」の技術教授法を検討したところ、患者の体位変換時の看護師の動きをモーションキャプチャーにより計測できることを確認できた。看護師の「ボディメカニクス」の活用状況を見える化することは、シミュレーション教育の教材作成につながる可能性が高い。加えて、国内の他看護大学が実施しているシミュレーション教育の実際を研修した。目的的及び意図的にかかわる技術教授活動の一端を確認できた。教育中の教員の動きを観察し、シミュレーション教育の導入と振り返りのための緻密な教育計画の必要性を痛感した。本研究を通し、教員の「動き」や評価の前提である教育計画について明文化する意義を明確にできた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目標は、第1に看護学教員が学生の技術習得を支援するために発揮しているシミュレーション教育における教授活動の行動の全容を質的帰納的に解明することである。それに向けて、本年度は教員のシミュレーション教育に関する情報収集とシミュレーション教育に活用可能な教材開発の方向性を見出すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、学生の技術習得の目標達成に向けてシミュレーション教育を実施している看護学教員の行動を調査するための質問紙を作成する。まず、質問紙作成に向けて、シミュレーション教育の評価方法に関する文献検討を実施する。その成果を学会にて発表する。また、「ボディメカニクス」の技術教授法の検討に向けて、患者の体位変換時の看護師の動きをモーションキャプチャーによる計測を継続する。
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