看護理論は哲学的な内容を含んでおり、中でも一部の理論家は、ケアリングを論じる際に現象学を参照している。しかし哲学の議論は時代とともに変化してきており、現象学にも近年多様な展開がみられる。本研究は、ケアリング論を中心とした看護理論について現代の現象学・哲学の観点から批判的な検討を行い、現代の社会と看護の状況に即した理論へとアップデートすることを目的とする。 ケアリングの概念から出発して、その前提となる人間観や健康観に遡り、さらに実践との関連を考える。本研究により、実践を捉える視点がとしての看護理論の力を再活性化させるとともに、看護理論に関連する学際的研究がより活発になることが期待される。
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