研究課題/領域番号 |
23K09890
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
上條 翔矢 北里大学, 看護学部, 助教 (80875261)
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研究分担者 |
松谷 伸二 北里大学, 看護学部, 教授 (60219433)
中山 栄純 北里大学, 看護学部, 准教授 (70326081)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2023年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 注視 / 注意 / 観察技術 / 熟練 / 患者急変 |
研究開始時の研究の概要 |
看護師が日々行う観察は重要であり、中でも患者の命に関わる場面では特に重要である。 しかし、このような場面での観察技術は暗黙知として伝えられることが多く、熟練した観察技術をもつ看護師がどのように注意を向け、注視するのか、観察の実態が十分にわかっていない。 そこで本研究ではまず、患者状態が悪化する設定のシミュレーション課題を開発し、その課題内容が臨床場面と関連性があるかについて、妥当性の評価を行う。そして、妥当性が担保されたシミュレーション課題を用いて、熟練した観察技術をもつ看護師が患者状態悪化時に、何にどのように注意を向け、どのような注視をするのかを記録し、明らかにする。
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研究実績の概要 |
2023年度はスコーピングレビューの論文投稿、シミュレーション課題の妥当性評価に関する研究、注視と注意を併せて記録する実験の一部を行った。 スコーピングレビューは、熟練した観察技術をもつ看護師が、どのような場面で、どのような注視を行っているのか、注視と注意を関連付けてどのような研究がなされているか、それら実態を明らかにする目的で実施し、熟練した観察技術をもつ看護師は、重要な領域を重点的に注視する傾向が明らかになったが、一方で、調査に用いるシミュレーション課題の妥当性を評価することと、注視と注意を併せて記録する実験の必要性がより明確となった。 シミュレーション課題の妥当性評価に関する研究では、事前に、肺炎疑い患者がA-DROP2点で緊急入院し、初回観察場面でA-DROPが3点に状態変化する課題を作成した。作成した課題を認定看護師や専門医などの専門家5名に4点尺度で項目毎に評価してもらい、内容妥当性指数 (S-CVI/Ave、S-CVI/UA) を算出することとした。その結果、1回目の評価で、S-CVI/Ave、S-CVI/UAともに基準を超える点数となり、課題の妥当性が担保された。 観察技術を可視化するために、注視と注意を記録する実験を行った。対象は、特定行為研修を修了した看護師と新人看護師とし、大学構内の模擬病室で、眼鏡型のアイトラッカーであるNeon (Pupil Labs社製) を着用してもらい、上記課題の120秒間の観察中に、視線、瞳孔径データ等を記録した。また、アクションカメラで、観察がどのような行動につながるのかも併せて記録した。当初は観察で印象に残ったことを発話してもらい、データを収集する予定だったが、インタビューで答えることが難しい対象者もいると考え、紙面に自由記述してもらうように変更した。次年度以降は得られたデータの分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
特定行為研修を修了した看護師の募集に時間を要すると推測し、当初の予定を早めてデータ収集を開始したところ、順調に募集することができ、2023年度中に必要サンプル数が集まったため。
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今後の研究の推進方策 |
発話データの収集から自由記述データの収集への変更、観察行動データの追加収集を実施したが、これらは観察技術の可視化に寄与することであると考えられ、研究計画に大きな変更はない。次年度は、視線、瞳孔径、自由記述データの分析を進めていく予定である。
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