研究課題/領域番号 |
23K09891
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
吉野 八重 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (80433720)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2027年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2026年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | COIL / 国際協働授業 / グローバルヘルス / 健康格差 / コミュニケーションスキル / オンライン / 授業評価 / インタラクティブ / Global health / Cultural competency / Cultural humility / Online Learning / International |
研究開始時の研究の概要 |
過去3年間のCOIL授業評価‐①受講学生へのインタビュー、フォーカスグループ・インタビュー、アンケート実施により、Cultural Competency, Cultural Humilityにおける学習ニーズや学習満足度と成果、③国内外のオンライン国際講義を担当教員へのインタビュー、評価、④欧米の看護系大学におけるCultural Competency, Cultural Humilityに関する教育カリキュラム、教育方法、評価指標、文献や教材に関する情報収集、⑤海外のカウンターパートの招聘と日本国内の看護系大学教員対象のワークショップを開催し、国際オンライン教育モデルについて検討する。
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研究実績の概要 |
計画書に記載した通り、海外のカウンターパート(米国6大学、モンゴル、タイ、メキシコ各1校、計9校)と綿密な計画を立案し、学部授業において様々なパターンによるCOIL授業と評価を実施した。 2023年度は。①UCLA(5月11日)による米国のリプロダクティブヘルスケアと健康格差、②UCI(7月6日)による米国の上級看護実践に関して逐語通訳を配し必修科目で行った。選択科目では③モンゴル国立医科大学看護学部と両国の在宅看護の実情と課題に関するプレゼンテーション(6月17日)、④UCLAとのブレイクアウトセッションによる社会経済的格差と健康に関するケーススタディ(11月3日)、⑤モンゴル国立医科大学との性的虐待児への支援と課題に関するプレゼンテーション(11月17日)、⑥UCLA大学院の学生、教員にモンゴル支援に関する講義(11月30日)、⑦メキシコのイベロアメリカン大学との栄養と健康に関するプレゼンテーション(12月7日)、⑧WHO母子保健局元事務局長による世界の母子保健と気候変動と健康リスク(1月20日)の計8回実施した。毎回、学生による授業評価を行い、トピックス、授業展開方法や内容、満足度や課題に関する検討を行った。海外のカウンターパート大学、日本側の教員の専門性、参加国の学生たちのトピックスに関する関心の度合いやレディネスを十分に吟味し、授業の目標や目的を共有し、授業方法を十分に検討することが重要であった。また学生の言語コミュニケーションレベルの査定は特に重要であった。必修・選択科目では、言語能力に差があり、英語が十分に理解できない学生を把握し、必要時にサマライズ、講義資料翻訳、関連用語の日本語解説資料作成も必要であった。海外、日本の参加学生の満足度は総じて高く、数回の英語のプレゼンテーション経験を経た学生の成長は、目覚ましく、インタラクティブな授業による学習効果は予定外に大きいものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
米国ロサンジェルス市で開催された全アメリカ大陸グローバルヘルスコンソーシウム主催の国際学会で抄録が採択されて、2024年3月9日に学会発表することができた。またそれだけでなく、同国際学会では様々な地域の専門家と意見交換し、ネットワークを築くことができた。特に新たにアフリカ地域のフィールドの専門家とネットワークを構築することができたことは大きな成果となった。2024年度のCOILプログラムでは、春学期に初めてアフリカ地域の専門家とのCOIL授業が実現する見通しとなった。今後、COILによる授業は先進国の大学間のみにとどまらず、開発途上国の保健医療職やコメディカルの教育機関とのコラボレーションにより、従来の国際協力支援・グローバルヘルス教育の枠にとどまらない、共に学び分かち合う形の実践的教育モデルを開発できる可能性が出てきたため。 また、本学会に際しての渡航では、学会の前後にメキシコのイベロアメリカン大学で特別講義、ワークショップを実施し、新たな国際共同研究の計画が進んでいるところである。また、過去5年間コラボレーションをしてきた米国のカウンターパートの大学2校を訪問した際には、関連文献の共同執筆の計画が持ち上がった。2年後に予定している本研究による国際ワークショップの計画についても具体的な協議を進めることができたので、当初の計画以上に進展していると考える。今年度はこれまでの成果を論文としてまとめることに重点を置きつつ、新たなCOILの展開方法についても引き続きカウンターパートとの協議、パイロットプログラムの実施を続ける予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策については、①COIL授業の展開の方法、授業評価に関するさらなる文献検討を継続する、②COILのカウンターパート国、大学の拡大(特に開発途上国、中進国を対象とした国々に拡大を進めていく)、③バイラテラル(2か国間)だけではなく、マルチラテラル(3か国間以上)のプログラムの展開もパイロットで実施していく, ④COILに関する新しいパイロットプログラムの共同開発を行う、⑤本研究成果に関する英語論文の協働執筆を行う、⑥国際学会、国内学会における成果の発表とグローバルなネットワーキングを推進する、⑦COILプログラムを拡大していくための新たな研究資金(例:国際連携研究)の確保に向けた準備を進めていく計画である。また次年度に向けて、COILプログラムの普及推進のための国際ワークショップ開催の企画、準備を入念に進めていく。
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