研究課題/領域番号 |
23K09906
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58050:基礎看護学関連
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
遠藤 良仁 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (00438087)
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研究分担者 |
中嶌 康二 関西国際大学, 社会学部, 准教授 (10565823)
岡本 華枝 京都光華女子大学, 健康科学部, 准教授 (70648881)
岡田 みずほ 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (90596561)
細川 舞 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (70760908)
菖蒲澤 幸子 岩手医科大学, 看護学部, 教授 (40780698)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 看護職 / 生涯教育 / オンライン学習 / 地域間格差 / 情報格差 / 生成AI / 生涯学習支援 / 地域医療 / ニューノーマル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は地方で地域医療を担う看護職向けに最新の専門知識のアップデートを促す生涯学習支援オンラインプログラムを開発することである。首都圏と地方の看護職を対象に質問紙調査を行い、首都圏と地方における看護職間の学習機会獲得や情報格差の実態を把握し、関連性を検証する。そこで明らかになった情報リテラシーの課題や関連要因を改善するオンラインプログラムを開発し、看護職に試行することで知識獲得の行動や臨床活用への効果、情報格差等の認識の変化等を検証し、オンラインプログラムを評価する。
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研究実績の概要 |
今日、我が国の看護職の生涯教育は、新型コロナウイルス感染症拡大を機に急速にオンライン化が進んだ。令和5年5月に新型コロナウイルス感染症が2類相当から5類へ移行後、学会や対面による集合研修は再開しつつある一方、自主的な行動制限は継続されている状況がある。学習機会は大都市等で提供されることが多いことから、特に地方の看護職は参加を断念せざるを得ない場合が少なくない。この状況において看護職にとってオンライン技術の活用能力や居住地域が学習機会の格差や情報格差の要因になっていると考えられる。 本研究は、首都圏と地方における看護職の学習機会獲得の地域間格差や情報格差の実態を把握し、看護職がオンラインを安全かつ効果的に活用し、学習機会へアクセスする知識と学習方略を自己主導的かつ協同的に習得するオンラインプログラムの開発を目的とするものである。 初年度である本年は、学習機会獲得の地域間格差や情報格差の実態把握を目的とした。一方、2022年に公開され、2023年に急速に社会一般に普及しつつある生成AI(人工知能)は、看護職の学習にも影響を与えている可能性が想定された。そのため看護職の学習に影響を与える可能性が高いと考えられる専門性が高い看護職と看護管理者に対して生成AIの影響も含めたインタビュー調査を実施した。その結果、都市部との物理的アクセスの違いによる差、オンライン化による技術の能力差による差、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の活用や人的ネットワークの広さによる差、経済的要因の差が語られた。生成AIについては情報の真偽が判断できない理由でほとんど活用されていない状況が示唆された。今回の調査を通じて、二年目は看護職がオンライン学習を効果的に活用できるよう支援し、学習機会の格差を縮小するための方策を見出していきたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の分類変更に伴う学会等の開催方法の変更や生成AIの普及により、看護職の生涯学習の方法に変化が生じていると考えた。これにより、求められるオンラインプログラムの在り方を再検討し、当初の研究計画を変更する必要があると判断した。初年度は、看護職を対象としたアンケート調査を実施し、物理的・情報技術を活用する能力的・経済的な差が存在することが定性的に示唆されたが、定量的な調査までは実施できなかった。一方で、看護職の情報能力を支える看護情報学の教育手法に関する知見は得られたため、オンラインプログラム構築時には活用可能と考える。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に示唆された格差を元に物理的・情報技術を活用する能力的・経済的な差などについて、より具体的なデータを得るために定量的な調査を行う。 さらに、社会の状況について文献調査を行うとともに、看護情報学的な教育手法やAIの活用も含む情報リテラシー能力の強化などを考慮したオンラインプログラムの再検討を実施し、対面研修とオンライン研修の効果の比較検討を行っていく。
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