研究課題/領域番号 |
23K09926
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
岡田 将 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (50514725)
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研究分担者 |
藤澤 陽子 千葉大学, 医学部附属病院, 看護師 (30400857)
増島 麻里子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (40323414)
眞嶋 朋子 千葉大学, 大学院看護学研究院, 教授 (50241112)
小林 欣夫 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (70372357)
佐野 元洋 千葉大学, 大学院看護学研究院, 助教 (70877000)
田口 奈津子 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (80282474)
東辻 朝彦 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (70979129)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Advance Care Planning / 心不全 / 外来 / 医看連携 |
研究開始時の研究の概要 |
心不全患者が自分らしく心不全と共に生き、共に人生を終えるには、疾患概念や疾患経過を理解・受容した上で、疾患人生の進行に応じて自身の価値観に基づき主体的に意思決定を行っていく必要がある。しかし心不全は疾患受容が得にくく多様な経過を辿るため意思決定そのものが難しく、その支援方法は現状では未確立である。これに対し我々は、緩和ケア科・看護学部・病院看護部と共同で意思決定支援プログラムを作成し、特に患者と長期かつ継続的に関わる心不全外来においてその運用を開始した。本研究の目的は本体制の有効性を、主観的満足感、合意形成程度、疾患受容、鬱や不安の評価により検討する事である。
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研究実績の概要 |
心不全ACP外来は当院へ通院中の心不全患者を対象とし、心不全外来受診日に、診察直前に看護師がACPを目的に患者面談を行うものである。その内容を記録しカルテに残すとともに、外来担当医とも内容の共有を行っている。ACP対話は特に患者理解を通した関係性構築を重視し、4段階の過程に分けて行っている。循環器部門の外来運営に支障をきたさないことが前提となるため、千葉大学大学院看護学研究院と協働し、同大学院生(看護師)がACP面談を担当している。また緩和ケア科医師およびがん看護専門看護師ともミーティングを行い、対話の在り方や面談を経た疑問に対するアドバイスを受けている。また事前指示書は植込型補助人工心臓を植え込んだ心不全患者を対象に、補助人工心臓治療関連学会協議会が倫理・法律・医療安全・緩和ケアなどの専門家を交えた議論を経て作成したものを許可を得て使用しており、循環器領域における一貫性も担保されている。 これまでに計41名の心不全患者に対しACP外来での面談を提案し、38名に参加いただいた。そのうち31名はACP面談の全ステップを完了し、その時点での事前指示書作成に至った。参加者の拒否反応や不信感による継続拒否は2名のみであった。看護学部大学院生がACP面談および記録を行うことで、循環器外来看護師の通常業務に支障をきたすことなく円滑なACPの遂行が可能であった。また面談頻度も1-2週に1回程度と高くはなく、ACP面談自体の負荷も許容可能であった。 今後は外来でのACP面談を引き続き継続するとともに、病棟と連携のうえ外来ー病棟の連続性担保に努める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
看護学部大学院生の業務負荷過剰はなく、循環器部門の外来看護師の業務にも支障は生じなかった。また参加者からの拒否感もほとんどなく、心不全ACP外来の実行可能性は十分あると考えられる。
次年度もマンパワーに応じたACP外来を継続予定である。
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今後の研究の推進方策 |
心不全外来におけるACP面談を継続し、引き続き参加者の増加に努める予定である。
また外来と病棟の連携を強化する予定である。これにより心不全ACP外来を経た患者の入院による心境変化を知ることが可能となり、ACP対話の継続性や深化が期待可能となる。
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