研究課題/領域番号 |
23K09944
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 関西看護医療大学 |
研究代表者 |
神谷 千鶴 関西看護医療大学, 看護学部, 教授 (80361236)
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研究分担者 |
眞野 美穂 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 准教授 (10419484)
澄川 真珠子 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (20432312)
江川 隆子 関西看護医療大学, 看護学部, 教授 (40193990)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 看護診断 / 日本型 / 看護概念 / 看護介入 |
研究開始時の研究の概要 |
2023年度 これまでに提案されている36の看護診断について、NANDA-I conferenceで公表し、意見交換を行う。日本の臨床に必要な看護概念を看護師への調査を基に明らかにする。また、看護師へのインタビュー調査を実施し、日本型看護診断の基本構造案に基づき、看護診断名案、診断の根拠となる情報、成果指標、介入方法について明らかにする。 2024年度 提案された日本型看護診断について、日本語言語学研究者との意見交換を行い、診断名・定義・診断要件・関連要件・成果/目標・介入案について、妥当性検証(DCV)を実施する。 2025年度 日本型看護診断について成果発表,論文投稿、およびハンドブックを作成する。
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研究実績の概要 |
2023年度は日本型看護診断の開発を目指して、多岐にわたる調査と活動を行った。最新の看護の知見を得るため、国立国会図書館で博士論文を中心に閲覧し、文献調査を実施した。これまで行ってきた腎不全看護に関する看護診断開発を継続するため、日本腎不全看護学会研究委員会へ協力を依頼した。NANDA-Iカンファレンスに参加し “Approaches to the Development of a Japanese Version of Nursing Diagnosis”をテーマにポスター発表を行った。加えて、各国における看護診断の必要性とNANDA-Iの方針を確認することができた。さらに、健康教育介入におけるアクションリサーチ法やICT利用のセミナーに参加し、知見を得た。腹膜透析医学会では、看護診断の健康管理に関する情報収集を行い、看護師の自己管理指導の難しさや病院と在宅をつなぐ連携の重要性、透析患者の終末期における看護診断の必要性を認識した。認知神経リハビリテーション学会では、日常生活活動に関連する介入方法や概念創出の方法について学んだ。また、質的心理学会のアジア学術大会では、日本型看護診断開発過程における、質的研究方法の有効性について口頭発表を行い、アジアの文化との関連性や自己概念についての知見を得た。日本看護科学学会では、日本型看護診断における介入で今後必要になるとと思われる看護における「癒し」についての文献レビューを発表した。共同研究者間では主にZOOM会議を開催し、日本看護診断学会用語検討委員会と協力し、日本型看護診断の構想、概念の階層について協議した。以上の活動を通じて、日本型看護診断の開発に向けた多角的なアプローチと知見を蓄積することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度の目標は、1.これまでに提案されている36の看護診断についての概念分析を精錬し、NANDA-I学術大会で公表する。2.日本型看護診断開発に向けて、必要な看護診断領域の調査の実施し、これまで提案された36の看護診断以外にも、日本の臨床で必要とされる診断名について文献調査を実施する。看護診断という用語以外でも看護師が使用している看護上の問題名などを明らかにし、開発が必要な診断名について検討する。3.特定領域の看護師へのインタビュー調査を実施し、これまで提案された36の看護診断以外に必要な看護診断について、主にその現象が生じると考えられる特定領域の看護師(認定看護師・専門看護師など)に対して、インタビュー調査を行い、日本型看護診断の基本構造案(図1)に基づき、看護診断名案、診断の根拠となる情報、成果指標、介入方法について明らかにすることであった。 目標の1.2については達成できたが、3.については、一部専門学会への参加で知見を得ることができたが、インタビュー調査ができていないため、次年度以降に実施し、概念の構築につなげていく必要があると考える。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、特定領域の看護師へのインタビュー調査を実施し、これまで提案された36の看護診断以外に必要な看護診断について、主にその現象が生じると考えられる特定領域の看護師(認定看護師・専門看護師など)に対して、インタビュー調査を行い、日本型看護診断の基本構造案に基づき、看護診断名案、診断の根拠となる情報、成果指標、介入方法について明らかにすることを目標とする。特に、終末期に携わる看護師や療法選択(がん患者、慢性腎不全患者)に関わる看護師へのインタビューを予定している。これらのデータを基に、 提案された日本型看護診断の診断名・定義・診断要件・関連要件・成果/目標・介入について、日本語言語学者との意見交換を行い、意見交換後に修正された、日本型看護診断の診断名・定義・診断要件・関連要件・成果/目標・介入について、妥当であるか全国の看護師100名を対象に妥当性検証(DCVモデルを使用)を行う予定である。2025年度には、計画通り1.日本型看護診断の構築について成果発表,論文投稿、2.日本型看護診断ハンドブックの作成を予定している。
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