研究課題/領域番号 |
23K09959
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
菅原 亜希 宮城大学, 看護学群, 講師 (30521835)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 慢性心不全 / エンパワメント / セルフマネジメント / エンパワメントアプローチ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、これまで健康行動に関する知識提供やセルフモニタリングの支援に注力されてきた慢性心不全患者のセルフマネジメント支援において、健康行動やセルフモニタリングの結果を患者と看護師が共有し、患者の行動調整(マネジメント)を支援することに焦点を当て、エンパワメントのアプローチに基づくプログラムを作成する。プログラムは、1年以内に心不全初回入院を経験した慢性心不全患者に対して適用し、小規模な無作為化比較試験によって検証する。
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研究実績の概要 |
令和5年度は、エンパワメントプログラムで目指す成果を明らかにするため、日本における心不全患者の体験を明らかにし、「心不全とうまく付き合うこと」の概念定義を試みた。医中誌、PubMed、CINAHL、PsycINFOを用い、医療制度や文化的背景を考慮し、日本の成人期・老年期慢性心不全患者の療養生活に関する質的研究であることを選択基準として、体系的にレビューを行った。その結果、心不全とともに生きることについて、<療養行動の意味と選択><信頼できる医療者の存在><心不全とともにある自己の尊重><独自の体調の指標と対処><病気の進行の受容>の5つのテーマが見出された。心不全という病気は患者にとって捉えることが難しく、患者自身が自分の生活・人生における療養行動の意味を見出し、自己の役割や価値観との折り合いをつけたり、譲れない楽しみのために医療者と取引したりする過程があった。また、綯い交ぜに体験する自己の体調に対処しながら、心不全のコントロールへの執着を手放すことが、心不全とともに生きる体験にみられた。心不全とうまく付き合うことの概念定義については、投稿準備中である。 さらに、エンパワメントプログラムの作成に向け、慢性心不全患者の心臓リハビリテーションにおけるエンパワメントアプローチの要素を明らかにし、エンパワメントアプローチの実践上の課題を明らかにすることを目的に、心臓リハビリテーションチームへのインタビューデータを二次利用し、研究を実施した。Funnelのエンパワメントアプローチの「患者にとっての問題を特定する」「問題に対する感情を明らかにする」「目標を設定する」「計画を立てる(行動を試みることを支援する)」「行動に伴う経験内容を評価する」に該当する、心臓リハビリテーションチームの実践やそれに至るアセスメントに関する語りを抽出し、ステップ毎に分類した。この結果は、今後公表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度から6年度にかけて実施予定であった「慢性心不全患者に対するエンパワメントプログラムの作成」の手順である、質的記述的研究のデータ収集が完了した。すでに分析を開始しており、プログラム作成に向けた準備が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度の研究結果に基づき、エンパワメントプログラムを作成し、専門家による確認を依頼する。
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