研究課題/領域番号 |
23K09969
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
川島 徹治 関東学院大学, 看護学部, 准教授 (90916008)
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研究分担者 |
蘆田 薫 関東学院大学, 看護学部, 助教 (00966575)
吉野 靖代 駒沢女子大学, 看護学部, 講師 (50806255)
木下 里美 (高野里美) 関東学院大学, 看護学部, 教授 (60315702)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Critical Care / End-of-life / Family Conference / Nursing |
研究開始時の研究の概要 |
終末期患者では代理意思決定が求められることも多く、それが家族の心理的負担に繋がることが問題となっている。終末期に関するFamily Conference(終末期FC)における医療者のコミュニケーションを改善することは、家族の症状を軽減できることが明らかとなっている。本研究は、患者家族の心理的負担軽減を目指し、終末期FCにおける看護師の実践向上のための介入プログラムを開発することである。方法は以下2点である。①終末期FCにおける看護師の実践と家族の心理的症状や満足度の関連およびそれらに影響する要因を検討する。②看護師への介入プログラムを開発し、実施および評価を行う。
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研究実績の概要 |
集中治療領域での終末期のファミリーカンファレンス(FC)の実践に関連する要素の探索と医師や看護師へのインタビュー調査を実施した。ICU看護師のFCにおける実践に関連する要因としては、他者に相談できる頻度や診療体制等が明らかとなっている。他者に相談できる頻度には倫理的風土が関係していることが想定され、欧米ではICUにおける終末期を含む意思決定に関する倫理的風土の測定尺度としてEthical Decision-Making Climate Questionnaire(EDMCQ)が作成されている。本尺度の日本語版を作成し、学会や論文として発表した。倫理的風土には経験年数の増加によって改善されるというよりも倫理的感受性が高まることなどから、得点が低下する可能性が示唆された。妥当性や信頼性について一部注意が必要な点はあるが、倫理的風土を測定することが可能となり、今後その他の変数との比較を行うことで要因を検討していく予定である。また、集中治療における意思決定に関する倫理的風土やFCの実態を調査するため、医師、看護師にインタビュー調査を行った。倫理的風土や医療者FCにおける実践の課題や工夫点、阻害もしくは促進要因について分析を進める予定である。医師や看護師によってFCの場面や倫理的風土の捉え方に違いがあることや、互いに求める役割や実践が異なる点が見られた。引き続き、FCに関連する要因を検討しつつ、FCにおける医療者の実践の向上に資する介入プログラムを検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
医師や看護師へのヒアリングとしていたが、豊富な語りが得られる可能性からインタビュー調査とし、研究倫理審査委員会の承認などを得ていたことで、時間を要した。また、施設や個人の背景によって状況が異なり、多様なデータが収集されているため、分析に時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
インタビュー調査の結果を分析し、FCおよび倫理的風土における課題や工夫、現状を明らかにすることを目的に研究を進める。また、結果から得られた内容に基づき質問紙を作成し、実態を調査することを予定している。FCにおける実践の質向上を目指す介入プログラムを検討していく上で、効果的な介入や実態等の情報が不足しており、基盤的研究を行っていく必要性があるため、当初予定していた介入プログラムの作成過程ではなく、まずは質的研究や量的研究を取り入れながら、基盤的調査を行っていく。その後、介入プログラム作成に向けて引き続き取り組んでいく予定である。
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