研究課題/領域番号 |
23K09971
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
稲垣 範子 摂南大学, 看護学部, 講師 (90782714)
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研究分担者 |
小野 博史 兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (70707687)
稲垣 美紀 摂南大学, 看護学部, 教授 (60326288)
長沢 美和子 摂南大学, 看護学部, 助教 (30845748)
竹下 裕子 (吉田裕子) 摂南大学, 看護学部, 准教授 (10437668)
林 優子 大阪医科薬科大学, その他部局等, 名誉教授 (50284120)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2027年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | シェアード・ディシジョンメイキング / 患者‐看護師関係 / 重症心不全患者 / 状況特定理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、患者-看護師間の相互作用に着目し、治療の不確実さゆえに困難な治療選択が求められる重症心不全患者のSDMに特化した状況特定理論を構築する。重症心不全患者のSDMのプロセスにおいて患者-看護師間でどのような相互作用が生み出され、治療選択後のアウトカムに影響を与えるかを、臨床実践への参加観察や系統的レビューとリンクさせながら理論化することで、重症心不全患者特有のニーズに合致する実効性の高い看護実践ガイドの提供が期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究は、Shared decision-making (SDM) のプロセスにおいて重症心不全患者と看護師の間で生み出されるどのような相互作用が、患者・家族および医療者のどのようなアウトカムに影響を与え、望ましい治療の選択や治療後の療養支援につながるのかを明らかにし、明らかになった知見を統合して状況特定理論を構築することを目的としている。 2023年度は、理論開発のための準備として、①ベースとなる中範囲理論であるAmerican Association of Critical-Care Nurses (AACN) Synergy modelの概念評価に関する文献検討、②今回開発する重症心不全患者と看護師の相互作用を基盤とした状況特定理論の中心となる概念の検討をおこなった。 ①AACN Synergy modelの概念評価に関する文献検討の結果、患者と看護師との関係性の中で生じるとされる「相乗効果 synergy」が明確に定義されていない点が課題として挙げられていた。さらに、相乗効果がどのように生じるか、相乗効果を生み出すために患者の特性と看護師の能力がどのように結びついているのかについての説明も不足しているとの指摘があった。この説明不足とされる相乗効果について、本研究が着目する患者と看護師の相互作用を明確にすることにより補完できる可能性がある。 ②重症心不全患者と看護師の相互作用を基盤とした状況特定理論の中心となる概念について、Meleis (2018) の概念構築のための統合的方法に沿って、改めて取り上げたい現象を記述し、中心となる概念の明確化に取り組んだ。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
重症心不全患者と看護師の相互作用を基盤とした状況特定理論の中心となる概念について、改めて現象を記述し、概念を明確化するプロセスに時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
①理論開発のための前提の確認とモデルの中心概念の検討、②ラベリングした中心概念についての概念分析、③質的研究のメタ統合、④臨床現場での参加観察とインタビューによる質的研究、⑤フォーカス・グループインタビューによる臨床看護実践のレビューを計画している。 2024年度は、①理論開発のための前提の確認とモデルの中心概念の検討は、専門家パネルを開催して、状況特定理論開発の統合的アプローチ(Im, 2005)を用いるための前提を確認し、中心概念となる患者-看護師の相互作用の特徴を明らかにし、概念のラベリングを行う。②ラベリングした中心概念について概念分析を進めることを計画している。 2025年度以降で、③質的研究のメタ統合:重症患者の意思決定プロセスのなかで、看護師の意思決定支援の実践についての記述から、患者と看護師に生じる相互作用について、質的研究論文のシステマティックレビューを行い、質的エビデンスの統合を目指す。 2026年度以降で、④臨床現場での参加観察とインタビュー、⑤フォーカス・グループインタビューによる臨床看護実践のレビューにより、臨床実践の観点から関係命題についての妥当性を深め、ここに至るまでの知見を揃えて、状況特定理論の理論化を進める計画である。
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