研究課題/領域番号 |
23K09972
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 関西福祉大学 |
研究代表者 |
高岡 宏一 関西福祉大学, 看護学部, 講師 (70781699)
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研究分担者 |
掛田 崇寛 川崎市立看護大学, 看護学部, 教授 (60403664)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | トリアージ / 看護師教育 / 臨床判断 / 救急看護 / 救命救急センター / トリアージツール / 医療資源 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は国際的なトリアージツールであるEmergency Severity Index(ESI)の教育プログラムを開発し、本邦の臨床での有用性を検証することである。このESIの利点は従来から行われている臨床推論に基づいた患者の評価に加え、医療リソース(検査や処置など)の数により、アルゴリズムに沿った判定が可能なことである。このESI判定を本邦の救急臨床で運用するための教育プログラムを開発することで、信頼性と妥当性の高いトリアージツールに関する学習機会の拡大ならびにその普及促進をはかるとともに、増加の一途を辿る救急患者の急変予防及び救急患者の安全な診療に貢献し、社会への波及効果が期待できる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は国際的なトリアージツールであるEmergency Severity Index(ESI)導入に向けた教育プログラムを開発し、この有用性を検証することである。従来、救急医療現場では、受診患者の増加や感染症のスクリーニングに対して、医師の診察を受ける優先順位を判断する緊急度判定が重要視されている。本研究では、この緊急度判定を支援する国際的なシステムの一つであるESIに注目した。ESIは、現行の判定基準に比して、精度を担保しながら診察待機時間の改善が期待できる。申請者らは、ESIシステムの臨床効果を検証し、本邦の救急臨床に導入可能であるという示唆を得た。さらに、ESIはトリアージナースの経験と専門性を活かし、わが国が直面する発熱患者のスクリーニング等臨床課題への効果も期待できる。本研究では、臨床導入に向けてESI教育プログラムの有用性を検証し、救急臨床における課題である患者の急変予防ならびに効果的で安全な救急部門の運営に貢献する。 まず、本年度はESI教育プログラムの開発準備として、協力施設の救急関連の臨床実践スペシャリストとともに研究チームを組織した。具体的には、ENAで実施されているe-ラーニングコースを基に、ESI教育プログラムの原案を作成し、日常的にトリアージを実施しているトリアージナースに意見を受け内容のブラッシュアップを行った。プログラムの構成としては、全6回のトリアージ講義資料や動画などの教材の妥当性および確認テストの問題についての評価を行い、信頼性・妥当性の担保された教育プログラムのパッケージ化をはかった。 次年度は、一次介入として、研究協力施設で作成したESI教育プログラムの有用性を検証するために、トリアージナースを対象に教育プログラムを受講した群(介入群)と教育プログラムで使用する教材を手渡した群(対照群)の判定精度の差を比較検証で実施予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定していたESI教育プログラムは予定通り研究チームでの協議をへて作成している。ただし、実際の臨床利用に関しては、病院施設の救命救急センターの状況を鑑み、開始時期を検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の予定としては、次年度に一次研究として、予備研究で協力が得られた施設で実施した教育プログラムの信頼性・妥当性を評価する。具体的には、教育プログラムの各項目について、クロンバックのα係数を用いて内的整合性を評価する。また、有識者およびスペシャリストからの意見を聴取し、現行の教育プログラムについての課題や問題点を抽出し、ブラッシュアップをはかる予定である。 さらに、二次研究では、ESI教育プログラムの効果を検証する教育介入研究を実施する。具体的な教育介入の流れは、研究対象者をプログラム受講する介入群と紙面のみ手渡す対照群へ無作為割付し、共通の模擬患者課題確認試験を実施する。研究結果は、それぞれの群で偶然によらない順序付けを考慮した評価者間信頼性の一致度であるWeighted Kappaで分析を実施し、緊急度判定精度、医療リソースの予測精度を検証する。
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