研究課題/領域番号 |
23K09978
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上野 高義 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60437316)
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研究分担者 |
宮川 繁 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70544237)
竹屋 泰 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70590339)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 術前高齢者機能評価 / 心臓血管外科術後フレイル / 高齢者総合機能評価 / 心臓血管外科 / 手術 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者は生理機能の低下のみならず多くの併存疾患を有しており、術前術後の身体機能や認知機能の把握が極めて重要になることが予想される。しかし、心臓血管外科領域では、このような高齢者特有の機能低下を含めた手術リスクを評価する明確な基準や指標がなく、手術実施施設ごとで評価している現状がある。そこで、本研究の目的は、術前に高齢者総合機能検査を用いて多面的に評価を行い、心臓外科手術を受ける高齢者の社会復帰状況を明らかにし、今後の術前術後における介入目標を設定することとし、心臓血管外科領域における高齢者総合機能評価の有用性を調査し、術後の高齢者のQOL向上に向けた看護支援の一助とする。
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研究実績の概要 |
(背景・目的)高齢者に対する手術侵襲のフレイルへの影響は様々な分野で研究されているが、心臓外科領域に関する報告は少ない。そこで、心臓外科手術における手術侵襲のフレイルへの影響を高齢者総合機能評価(CGA)用い検討することを目的とした。 (対象・方法)単施設前向き観察研究。2023年4月から12月まで、65歳以上の心臓血管外科手術を受けた患者対象に術前にCGA(IADL、MMSE、 Barthel Index、GDS-15、Vitality Index)を計測、さらに術後1ヶ月外来でCGAとCFS(Clinical Frailty Scale)を取得し、術後CFS4以上とフレイルの影響で転院した患者をフレイル群とし、フレイルの関連因子およびフレイル群の低下項目について検討した。統計解析ソフトはstata17.0を用いて解析を行なった。当研究は病院倫理審査委員会の承認を得て実施した。 (結果)対象症例58例の年齢は76.2(±5.4)歳、性別は男性39名(67.2%)。フレイル群は19(転院3例含)例(32.6%)、非フレイル群は33例(67.3%)であった。術後フレイル群において、術前因子ではBarthel Index、GDS-15、脳血管疾患の既往が高値であり、また、術後状態ではせん妄、新規介護申請が有意に高率であった(p<0.05)。また、入院時と術後1ヶ月時点のBarthel Indexの項目比較を行った結果、入浴、歩行、階段昇降の項目が低下していた。 (まとめ)心臓外科手術術後フレイルには、術前ADLが低下しうつ傾向を有す症例が陥りやすい可能性があり、日常生活に必要な筋力に対する早期からの介入の必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ採取がいまだ58例にとどまるが、術前高齢者機能評価により術後フレイルに陥りやすい術前因子が明らかとなっており、今後の研究方向性が得られている。また、全国学会にも発表を行ったため、おおむね順調に経過していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
症例数を増やすことにより、術後フレイルに対しより影響度の高い術前因子を解析すること、および現在は術後1か月までのデータしか検討していないため、少なくとも術後半年のデータを検討することとする。
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