研究課題/領域番号 |
23K10010
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
安藤 里恵 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (50438090)
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研究分担者 |
奥井 良子 駒沢女子大学, 看護学部, 教授 (10554941)
中原 慎二 神奈川県立保健福祉大学, ヘルスイノベーション研究科, 客員教授 (40265658)
白水 眞理子 姫路大学, 看護学部, 教授 (60228939)
間瀬 由記 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (60256451)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 2型糖尿病 / 受診中断予防 / 両立支援 / 療養支援ツール / 2型糖尿病 / 看護モデル |
研究開始時の研究の概要 |
成人期にある2型糖尿病患者を対象とした、受診中断予防看護モデルと療養支援ツールを開発し、その効果を評価する。医療者の視点、患者の視点、さらには他国(本研究においては、近年、糖尿病患者の増加が著しいタイ王国)において実施されている受診中断予防支援をタイのコンケン大学と協働して明らかにする。それらから手がかりを得て開発し検証するとともに、日本国内のみならず、タイ王国における適応可能性についても検討する。
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研究実績の概要 |
・成人期にある2型糖尿病をもつ就労者が受診中断を思いとどまった経験をテーマとし、通院中の2型糖尿病患者のうち65歳未満の就労者8名に対して実施したインタビューデータを、M-GTAの手法を用いて分析した。結果として、19概念、6カテゴリ、2コアカテゴリを抽出した。受診を継続している成人期にある2型糖尿病をもつ就労者は、<生活のために身体のことはあと回しになる>や療養指導への<あれこれ指図されたくない>という不快感から【受診へのハードルを感じ受診をためらう】。しかし、【受診が必要である体を自覚し迷う気持ちを断ち切る】ことで〔受診中断へのハードルを感じながらも受診継続する気持ちを新たに(する)〕していた。受診継続する中で【納得できる受診継続の理由を見出す】と同時に、【受診に向け職場や病院との調整がつく】ことや【受診しているからこそできることがある】と感じること、【受診継続に必要なサポートが得られる】ことを積み重ね、〔受診の必要性を見出し受診できる環境を調整(する)〕していた。 ・2型糖尿病の療養と就労との両立支援および、患者と医療者、保健・福祉分野の連携・連携ツールに関する文献検討を行った。その結果、情報共有のツールとして「糖尿病連携手帳」があり、その活用が推奨されていた。また、近年スマートフォンを用いた自己管理介入が進んでおり、2型糖尿病患者の自己効力感、セルフケア活動、健康に関連するアウトカムに有益な効果をもたらすと論じている。 ・働き盛りの世代にある患者が、通院の必要性を自覚し、望ましい療養行動をとるには、支援ツールを、患者自身が理解し、医療者とコミュニケーションに活用することや療養を後押しする職場の支援が必要であると考える。そこで自己管理支援ツールの活用が、受診行動や職場の支援および活力ある働き方と関連しているとの仮説を立て、検証に取り組むこととし、研究倫理審査申請中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究が目指す看護モデルのエッセンスは出揃いつつあるものの、働き盛りの世代にある患者が、通院の必要性を自覚し受診を継続するためには、療養支援ツールが必要であり、また、患者自身がツールを理解し、医療者とコミュニケーションに活用することや、療養を後押しする職場の支援が必要であると考えた。すなわち、成人期にある2型糖尿病患者を対象とし、糖尿病連携手帳を含む療養支援ツールの活用状況と職場におけるソーシャルサポートやワークエンゲイジメントとの関連について明らかにするため、WEB調査を計画した。受診中断予防のための療養支援ツールのあり方とツールを有効に活用するための看護支援についての検討を要することから、それらを明らかにした上で、看護モデルと療養支援ツールを作成することで、より有用なものとなると考える。 また、タイにおける調査については、日本における調査で用いた尺度のタイ語版が開発されていない等の課題があり、検討を要する。
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今後の研究の推進方策 |
・研究倫理審査後、直ちに「就労中の2型糖尿病患者における自己管理支援ツール活用の有無と職場におけるソーシャルサポートやワークエンゲイジメントとの関連」についての調査を開始し、その結果を踏まえて、受診中断予防のための看護モデルおよび療養支援ツールの検討を行う。 ・検討した受診中断予防のための看護モデルおよび療養支援ツールを専門家会議を開催し意見を聴取しつつ洗練させ、介入研究の準備を行う。 ・タイでの調査については、現地の共同研究者とタイで活用できる尺度等についての検討を行い、実施に向けた準備を行う。
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