研究課題/領域番号 |
23K10060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 名古屋女子大学 |
研究代表者 |
渡邊 実香 名古屋女子大学, 健康科学部, 教授 (70345908)
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研究分担者 |
大橋 幸美 日本福祉大学, 看護学部, 教授 (00552986)
高橋 由紀 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (80346478)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 里親養親 / 親役割獲得 / 特別養子縁組 / 心理状態 / 特別養子縁組養親支援 / 不妊治療 |
研究開始時の研究の概要 |
国は,特別養子縁組成立を,現在の700組程度から1000組を目指し,その後も増加を図る方針である。近年の特別養子縁組養親の多くは,周産期医療・看護学的視点より親役割獲得を困難にする,不妊治療を一定期間経験した比較的高年者という背景を持つ。本研究目的は【研究①】特別養子縁組養親の親役割獲得支援プログラムを周産期医療・看護学的視点も踏まえシステマティックレビューに基づき試作し,【研究②】試作プログラムを特別養子縁組養親に実施し,Mixed Methodsによりデータ収集・評価を行う。結果を踏まえ,プログラムに改良を加え,特別養子縁組養親の親役割獲得支援プログラムを開発することが最終目標である。
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研究実績の概要 |
調査初年度の本年は、里親養親の心理社会的状況を明らかにするために、抑うつ状態と親役割獲得状況を中心にアンケート調査を実施した。 アンケート内容は、属性(年齢・性別・婚姻期間・不妊治療歴の有無と期間・家族構成・養子の種類)6項目、お子様について(気がかりなこと、養子委託時に受けられた支援など研究者作成)10項目、簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)16項目のうち15項目(自殺に関する質問1項目は倫理審査の承認を得られなかったため削除)、育児期の親性尺度33項目、赤ちゃん(こども)への気持ち尺度10項目の計74項目への回答を求めた。 16名の里親養親より回答が得られた。回答者年齢48.8(SD6.7/38-63)歳、配偶者年齢49.7(SD7.4/41-60)歳、女性12名、男性4名、不妊治療経験者13名。QIDS-Jで要診療者3名(除外項目の得点により最大10名)。赤ちゃん(こども)への気持ち尺度は0~12点、要支援者13名であり抑うつ得点が高い者はすべて要支援者だった。一方、育児期の親性尺度得点は、136.6(SD12.0/一般的な親123.6(SD15.5))であった。 海外同様、本邦の里親養親においても抑うつ状態にある者が一定数確認された。得点が高い者はいずれもこどもへの気持ちに不安定さが確認され、抑うつ得点は里親養親への支援対象としてのスクリーニング指標として用いることの可能性も示唆された。一方、里親養親の親性得点が一般的な親より高い傾向にあった要因に、年齢が高く社会的な安定感や「親」としての意識が強いことが推察された。 今年度は、実態をより正確に把握するためにアンケートサンプル数を増やすこと、さらに里親養親に必要な支援内容を、里親と養子の社会的背景を踏まえ介入方法を提案する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アンケートによるデータ回収数が想定より少なく、信頼性ある結果を提示するためにデータ回収期間の延長が必要になった。また、具体的な介入方法について質的データの収集が遅れたため、2年目の研究計画案に移行させることとなった。その他については概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
1.里親養親の心理社会的状況について、信頼性の高いデータとなるべくアンケート調査を継続する。 2.里親養親へのインタビューにより具体的な支援内容を明らかにする。 3.調査結果を踏まえ、児童相談所および養子縁組あっせん機関と里親委託者に対する介入準備を行う。 4.里親委託者へ介入する医療従事者(助産師)に対し、研修を行う。
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