研究課題/領域番号 |
23K10145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 金城大学 |
研究代表者 |
境 美砂子 金城大学, 看護学部, 講師 (70759860)
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研究分担者 |
一ノ山 隆司 金城大学, 看護学部, 教授 (20573166)
田中 浩二 金沢大学, 保健学系, 教授 (40507373)
長田 恭子 金沢大学, 保健学系, 助教 (60345634)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | NICU / 道徳的苦悩 / 倫理的意思決定 / トラウマ / 看護師 / 倫理的課題 / 支援プログラム / メンタルヘルス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、、NICU看護師の倫理的ジレンマ、道徳的苦悩に着目した専門職向けプログラムを開発するために、NICUで勤務する看護師を対象に、①看護師が抱える倫理的ジレンマの様相、②倫理的ジレンマを経験しながらも仕事を継続していることの意味について明らかにする。その知見に基づいてNICUに配属された看護師の倫理的意思決定を支援する倫理教育と、メンタルヘルス対策も盛り込んだ新たな専門職向け支援プログラムを構築する。本研究は、NICU看護師の親や子どもの擁護者としての役割機能向上に貢献する。
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研究実績の概要 |
重篤な疾患をもつ子どものケアをしているNICU看護師が抱いている道徳的苦悩について現象学的手法を用いて明らかにした。 研究対象者は、一般社団法人日本周産期・新生児医学会が認定した基幹施設で勤務するNICU看護師11名であった。語られたケースは、食道閉鎖を合併した18トリソミー、ポッター症候群、13トリソミー、肝不全、心臓腫瘍などであった。結果として、語られたデータを解釈するなかで表出してきた意味から、日本のNICU看護師が体験している道徳的苦悩として、9つのテーマと、「組織的な制約」「後悔」「共有できない体験」3つのクラスターが抽出された。そして、道徳的苦悩の基盤は、看護師の「心の傷(トラウマ)」であった。 子どもの最善の利益と意思決定にかかわる看護師の体験にフォーカスを当てたことによって、「子どもの孤独な死への直面」「命の価値づけへの罪悪感」「何もできなかったことの自責感」など、看護師が体験している無力感の意味が新たに抽出された。看護師は様々な道徳的苦悩を体験しているが、それを個人的問題として処理するしかない状況であり、しかもそれは個人を否定するような感情が生じさせる体験であるため、トラウマに発展すると考えられた。道徳的苦悩の緩和のために、看護師のモラルレジリエンスの向上や心理的安全性の確保などの必要性が示唆された。 NICU看護師が体験している道徳的苦悩の根幹にある無力感の意味が明らかになった。この研究結果は、NICU看護師が抑圧してきた想いを開放し、重篤な疾患をもつ子どもをケアするうえで避けることができない道徳的苦悩を緩和するために貢献する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、道徳的苦悩を経験しながらも、看護師が仕事を継続する意味について明らかにすることを目的に、Colaizziの7段階の手法を用いた現象学的方法で分析中である。今年度中に論文を執筆、発表を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
NICU看護師が経験している道徳的苦悩の本質、そして道徳的苦悩を持ちながらも仕事を継続する意味についての知見をもとに、倫理教育プログラムを作成する。
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