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超重度の重症心身障害児の生活を支えるケア向上のための研究方法開発とケア方法構築

研究課題

研究課題/領域番号 23K10146
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分58070:生涯発達看護学関連
研究機関摂南大学

研究代表者

亀田 直子  摂南大学, 看護学部, 講師 (70737452)

研究分担者 家高 洋  東北医科薬科大学, 教養教育センター, 教授 (70456937)
池田 友美  摂南大学, 看護学部, 教授 (70434959)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード重症心身障害 / 子ども / ケア / 生活 / ケア提供者 / 介護者 / 研究方法 / 質的研究
研究開始時の研究の概要

慢性期意識障害患者の「環境刺激への応答/意図的な反応」の評価における家族と専門職者間ギャップの原因究明が国際的に望まれている。
言葉やジェスチャーによる意思伝達が難しい状態にある超重症心身障害児の環境刺激への応答や意図的な反応をケア提供者が捉えられるか否かは、ケアの質だけでなくケア提供者の負担感にも大きく影響する。
本研究課題では①超重症児のケア場面でのケア提供者の経験の開示を進め、蓄積すること、②超重症児の環境刺激への応答/意図的反応をより適切に捉えるためのケア方法/研究方法を構築することを目指す。
超重度心身障害児の生活を支えるケア向上、慢性期意識レベル評価法の開発に貢献したい。

研究実績の概要

「超重度の重症心身障害児の生活を支えるケア向上のための研究方法開発」(科研費20K10926)の継続課題であり、研究目的は、①超重症児のケア場面での介護者の経験を開示し蓄積することと②超重症児の環境刺激への応答や意図的反応をより適切に捉えるためのケア方法や研究方法を構築することである。ここでの「超重症児」とは、言葉やジェスチャーによる意思表示が難しい状態にある子どもを指す。
2023年度は、超重症児Aくんへのケア最適化のために介護者が新たな視点を得る過程に焦点を当てて分析し、国際学会で発表した。自記式質問紙、参加観察、グループインタビューを通じて、介護者たちは超重症児の動きを認識し、主観的感情をエピソードとともに共有することでAくんの潜在能力に気づいていた。共有されたエピソードの例として、他の子どもたちがAくんと絵本の間を遮った時に発した「ぁぁ---」という声や、食事介助後に通常は汚れるエプロンが全く汚れなかったことなどがあった。
超重症児たちの反応を読み解くには、介護者たちの不確かで主観的な感情を共有する必要があり、その方策を示した(亀田&鈴木, 2018)。本研究では、介護者たちが抱いた不確かな感情が、エピソードに含まれる状況とAくんの動きとの連動によって生じていることが明確に示された。
質的研究の正当性に関する考察として、2022~2023年度は「応答性理性」(Waldenfels, 2013)、「人間の2つの思考様式」(Bruner, 1986)、「間主観的普遍性」(河合隼雄)、「読み手の読後の了解可能性」(鯨岡峻)などを手掛かりに、質的研究の基本単位としての「応答性(一連の応答)」や、論文等の研究成果と読者との関係としての「応答性」について論考した。
今後も研究を継続し、超重症児たちのケアの質の向上と介護者の負担感軽減に貢献することを目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

超重症児へのケア最適化のための新たな視点を介護者が得る過程に焦点を当てて分析し、国際学会で発表できた。さらに、約10年間継続してきた質的研究の正当性に関する論考が進展し、特に、質的研究の基本単位としての「応答性」や、論文等の研究成果と読者との関係としての「応答性」など、本研究課題の研究方法開発との融合可能性が見えてきたことは「当初の計画より進展している」と言える。一方で、予定していたパンフレットの完成と論文投稿に至らなかったことは「計画から遅れている」と言わざるを得ない。したがって、総合的に「やや遅れている」と評価した。

今後の研究の推進方策

2024年度は、これまでの成果に基づくパンフレットの作成と論文執筆を進める。方法論的考察および質的研究の正当性に関する論考を成果として取り入れ、完成したパンフレットを組み込んだ新たな研究方法を開発する。この研究方法は、介護者の経験の開示と超重症児の生活を支えるケアの向上を同時に目指すものである。2025年度には倫理審査を受け、新たな研究方法によるデータ収集と分析を実施する。2026年度には、学術集会や臨床実践者との学修会を開催し、広く意見を求め、それらを執筆に反映させる。最終的に、超重度の重症心身障害児の生活を支えるケアの向上のための研究方法と具体的なケア方法を構築する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] 特別記事 応答的理性について3-一例を扱う質的研究の正当性のために2023

    • 著者名/発表者名
      家髙 洋
    • 雑誌名

      看護研究

      巻: 56 号: 3 ページ: 254-263

    • DOI

      10.11477/mf.1681202103

    • ISSN
      0022-8370, 1882-1405
    • 年月日
      2023-06-15
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 特別記事 応答的理性について2-一例を扱う質的研究の正当性のために2023

    • 著者名/発表者名
      家髙 洋
    • 雑誌名

      看護研究

      巻: 56 号: 2 ページ: 154-162

    • DOI

      10.11477/mf.1681202087

    • ISSN
      0022-8370, 1882-1405
    • 年月日
      2023-04-15
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] HOW CAREGIVERS GOT THE NEW PERSPECTIVE TO OPTIMIZE THE CARE FOR A CHILD WHO COULD NOT EXPLAIN HIS WIL DUE TO SEVERE CEREBRAL PALSY2023

    • 著者名/発表者名
      Naoko KAMEDA, Hiroshi IETAKA, Tomomi IKEDA
    • 学会等名
      ICN CONGRESS in MONTREAL
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Assessment of Emotional Responses by Nasal Skin Temperature2023

    • 著者名/発表者名
      Tomomi IKEDA, Hideyoshi ODAWARA, Shigeyuki AJISAKA, Seiichi MIYAMOTO
    • 学会等名
      The 18th Congress of ASPR
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-13   更新日: 2024-12-25  

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