研究課題/領域番号 |
23K10151
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58070:生涯発達看護学関連
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
波崎 由美子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (80377449)
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研究分担者 |
上澤 悦子 大阪信愛学院大学, その他部局等, 研究員 (10317068)
内江 希 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (10782683)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | AYA世代女性がん患者 / 妊孕性温存 / 意思決定支援 / がん・生殖看護 / パートナーシップ / 妊孕性意思決定 / がん・生殖医療 / 看護支援 |
研究開始時の研究の概要 |
AYA世代女性がん患者の妊孕性温存支援に統一された看護支援方略は存在せず、意思決定に必要な情報提供も十分とは言えない。看護師の連携のもと、効果的な看護支援方略を早急に整えなければならない。 本研究では、がん治療前の妊孕性温存に関するがん・生殖領域の看護師の情報提供や意思決定支援に関してパートナーシップという視点で、AYA世代女性がん患者の各がん疾患やステージ、価値観やニーズに応じた妊孕性温存意思決定の過程をともに支える看護支援モデルを示す。
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研究実績の概要 |
本研究目的は、日本のAYA世代女性がん患者の妊孕性温存に関してがん領域と生殖領域の看護師たちが患者とのパートナーシップを含め、どのように情報提供と意思決定を支援しているのか、医療者間の連携の実践状況を参加観察と半構造化面接法により明らかにし、看護支援モデルを創成することである。 令和5年度は、AYA世代の20~30歳代に多い若年性乳がん女性、子宮頸がん患者の意思決定支援と看護支援、看護実践を中心に文献レビューを実施した。また、AYA世代がん患者に対する看護についての先行研究から、10代のAYA世代と20~30代のAYA世代の特徴や傾向を比較検討した。さらに、子宮頸部がん女性の妊孕性温存に関する意思決定プロセスを若年性乳がん女性の先行研究結果と比較し、子宮頸部腫瘍の場合の妊孕性に関する情報提供の時期やタイミングを含めて明らかにし、特徴と支援について総説として検討した。子宮頸部がんやAYA世代がん患者への看護支援に関する研究は散見されるようになってきていた。これら検討の成果は、令和7年3月に発表を予定している。 以上をふまえて、妊孕性温存意思決定支援看護モデル案の素案を研究分担者と検討し、他施設と同一施設でのがん領域と生殖領域の看護師それぞれの妊孕性に関する決定支援案を作成している段階である。若年性乳がん、子宮頸がんに関してはほぼ出来上がりつつある。そのほかに胚細胞腫瘍や性腺腫瘍、甲状腺がん、大腸がんについての追加を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
AYA世代女性がん患者の妊孕性温存に関して、若年乳がん患者の支援を中心にがん領域と生殖領域の看護師たちが何をどのように情報提供し、意思決定を支援しているのか、患者を中心とした医療者間の連携と協働の実践状況と課題について、参加観察とインタビューにより支援状況を明らかにしようと考えていたが、新型コロナウイルス感染の状況等から参加観察が難しかった。また、意思決定看護支援モデル案の作成が遅れた。 以上よりデータ収集ができていない。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに実施したAYA世代女性がん患者の妊孕性意思決定支援、看護に関する国内外の文献レビューから妊孕性温存意思決定支援看護モデル案を完成させる。そして、がん領域と生殖領域の看護師にヒアリングを行いモデル案を修正する。 次に、AYA世代女性がん患者の妊孕性温存に関して、がん領域と生殖領域の看護師たちが若年乳がんおよび子宮がん患者に、何をどのように情報提供し、意思決定を支援しているのか、患者を中心とした医療者間の連携、実践状況と課題を明らかにし、パートナーシップ看護支援モデル案を検討・修正する。 がん領域および生殖領域の認定または専門看護師で、実際に妊孕性温存に関する意思決定支援に携わっている看護師各10名を対象として、AYA世代女性がん患者への妊孕性意思決定に関する情報提供と意思決定の実際の場面を両方の領域で調査する。方法は参加観察法を用いる予定である。看護師がどのように情報提供にかかわり、意思決定を支援しているのか、また、看護師とAYA世代女性がん患者とのかかわり、医師や多職種と患者家族を含めたかかわりの場面を観察し、その中で見聞きした場面を会話の糸口としてインタビューガイドを用いて60分程度の個別面接を行なう。看護師の支援は、AYA世代女性患者やほかの医療者との相互作用により思いや考えのもと行動や言動が生じることから、グランデッド・セオリー・アプローチに準じて質的機能的分析を行う。現在、計画書および倫理審査用書類を準備中である。 これらの結果をもとにモデル案を創成し、看護師とAYA世代女性がん患者より意見をもらい、洗練させ、検証に向けて準備する。参加観察ができない場合、インタビューにより、看護師とAYA世代がん患者、医師等の支援の実際の構造を見出し、検証に向けてモデルを作成する。
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