研究課題/領域番号 |
23K10202
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
岡本 亜紀 岡山大学, 保健学域, 准教授 (10413527)
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研究分担者 |
新井 友子 岡山大学, 保健学域, 助教 (40769353)
原田 奈穂子 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 教授 (70637925)
藤井 宏子 岡山大学, 保健学域, 准教授 (80403781)
香田 将英 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (80827791)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 自殺予防 / 女性 / ライフスタイル / 新型コロナウイルス感染症 / CBT |
研究開始時の研究の概要 |
COVID-19流行を受け日本の女性自殺者数は増加した。大規模感染症流行はライフスタイルに影響を及ぼし女性の生きにくさを増大させたとみられているが、自殺対策はわが国の最優先健康課題であるにもかかわらず、女性の自殺への介入は僅少である。本研究では30-50代の女性の自殺予防を目的として、自殺につながるCOVID-19によるライフスタイルの変化・影響を明らかにした上で、認知行動療法を柱としたメンタルヘルス・ウェルビーイング促進への支援モデルを構築する。見過ごされてきた女性の自殺予防を介して、誰ひとりとして自殺することのない社会の実現を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では,生産年齢30ー50代の女性のCOVID-19流行下におけるライフスタイルの変化と自殺関連要因を明らかにした上で,その要因に特化した認知行動療法(CBT)のプロトタイプを作成して有効性を検証し,自殺予防を目指したメンタルヘルス支援のパイロットモデルを構築する。 1年目は,ウェブ調査会社に登録しているモニター会員を対象として,インターネット上で行う質問紙調査を1200名の30-50代女性に実施した。質問紙では,あなたご自身の仕事・結婚・子育て・介護などのCOVID-19による暮らしの変化と,孤独感(存在受容感尺度)・助けを求める力(援助要請スタイル尺度)・回復していく力(コナー・デビッドソン回復力尺度)・自殺を考える程度(短縮版自殺念慮尺度)・仕事と家庭の葛藤(多次元的ワーク・ファミリー・コンフリクト尺度)などは既存尺度を用いて,もっともあてはまる,あるいはふさわしいと思う回答番号や選択肢に○か,一部数字を記入する回答を求めた。回答は数値化データとして記述統計量を算出の後,自殺を考える程度を従属変数としてノンパラメトリック検定を実施した。 本調査結果は,対象女性の自殺念慮と,暮らしの変化に伴う負担と属性において統計学的に有意な関連性を解明する基礎資料として有用であった。 1200名の数値化データを用いて階層的重回帰分析と多変量解析を行うことによって,30ー50代女性の生きにくさに特化した自殺予防のためのCBT構築が可能となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1年目はインターネット上で行う質問紙調査の量的データと併せて,質的データを半構造化面接によるインタビュー調査で収集する計画であったが,未実施であり,当初計画より進捗状況は半年遅れている。インタビューでは調査用紙には表れにくいストレス負荷時や緩和時のエピソードおよび受けた公的非公的サポートについて情報収集を行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は,8月までに,半構造化面接によるインタビュー調査を開始し,質的データを収集する。インタビュー調査によって質問紙調査では表れにくいストレス負荷時や緩和時のエピソードおよび受けた公的非公的サポートについて情報収集を行う。 また,8月以降は,当初予定していた計画に従い,量的および質的データを用いて,ライフスタイルの変化と自殺に関連する要因に特化したCBTプロトタイプの作成にも着手し,その有効性検証を目的とした2群間比較研究を12月以降より実施していく予定である。
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