研究課題/領域番号 |
23K10209
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
坂東 春美 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (00458027)
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研究分担者 |
五十嵐 稔子 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50347473)
水谷 真由美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (10756729)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 孤立出産 / 0歳児 / 虐待死 / 予期しない妊娠 / 計画していない妊娠 / Positive Deviance / 特定妊婦 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,過去の孤立出産による死亡事例を対象として,国や地方自治体の報告書ならびに裁判記録等の公文書によって,0歳児の虐待死を防止するために,孤立出産における共通性の高いリスク要因は何か.加えて,妊娠期における支援機関である子育て世代包括支援センターに在籍する看護職のインタビューによって孤立出産における共通性の高いリスク要因を持ちながら,未然に防いだ事例は存在するか.存在した場合,どんな要素が予防を可能にしたか.を問う.
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研究実績の概要 |
0歳児の虐待死を防止するために,孤立出産における共通性の高いリスク要因の検討を目的に、先行研究のレビューと死亡事例の把握のを行った。 ①孤立出産による0歳児の虐待死事例における身体的・精神的・社会的要因に関する国内外の先行研究を公衆衛生看護学,国際看護学,助産学の観点よりレビューする.②0歳児の虐待死事例に関連する情報を厚生労働省,地方自治体,子どもの虹情報研修センターでWeb上に公開されている報告書から情報を得る.③刑事事件として裁判が終結した事例を,弁護士会図書室等のローライブラリー検索を行う.④選定事例の事件記録符号から裁判記録等を検察庁で閲覧し記録謄写を申請し情報を得る.ことを目標とした. その結果、1.では、国内の先行研究の観点よりレビューしその結果は、虐待死亡にいたる社会的背景には「社会的孤立」「孤立出産」「社会資源との関係」「転居」「児童相談所や市町村における支援の内容」であることが、指摘されていた.2.では、こども家庭審議会児童虐待防止対策部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会の「こども虐待による死亡事例等の検証結果等について第19次報告」から情報を得た.その結果は、妊娠期・周産期の問題として「予期しない妊娠/計画していない妊娠」「妊婦健康診査未受診」「遺棄」「妊娠届の未提出(母子健康手帳の未交付)」「自宅分娩(助産師などの立ち会いなし)」が高確率であった.特に、「予期しない妊娠/計画していない妊娠」は0歳児死亡のなかで最も高く32.0%であった.今後の支援としては、「妊産婦等生活援助事業(令和6年4月施行)」や、「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(令和6年4月施行)」を基にした支援を展開することの有用性が示唆されていた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度の研究は、当初の計画より遅れている.その理由は、次の通りである. ①研究計画当初には、エフォートを15%と見積もっていたが予定外の対応に追われ見積もりより大幅に研究への時間を確保できなかったこと.②家庭審議会児童虐待防止対策部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会の「こども虐待による死亡事例等の検証結果等について第19次報告」の内容を検討する事に予想以上の時間を要したこと.③共同研究者への相談ならびに報告が遅れていること. 次年度は、上記の改善を図れる可能性が見込まれることから、計画から遅れている点も含めて研究を遂行できるものと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
次年度の計画は、本年度において遅れている計画でも含め次の通りとする. ①孤立出産によ る0歳児の虐待死事例に関する国内外の先行研究を公衆衛生看護学,国際看護学,助産学の観点よりレビューすること.②刑事事件として裁判が終結した事例を,弁護士会図書室等のローライブラリー(第一法規法情報総合データベース・官報情報検索サービス・公的判例集データベース・Westlaw Japan・判例秘書等)検索を行うこと.③事件記録符号から裁判記録等を検察庁で閲覧し記録謄写を申請し情報を得ること.④これらのデータから関連項目の公開統計情報を分析により共通するリスク要因を明らかにすること.
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