研究課題/領域番号 |
23K10226
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 神戸常盤大学短期大学部 |
研究代表者 |
江崎 ひろみ 神戸常盤大学短期大学部, 口腔保健学科, 教授 (90739400)
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研究分担者 |
八木 孝和 神戸常盤大学, 保健科学部, 教授 (10346166)
宮澤 絢子 神戸常盤大学短期大学部, 口腔保健学科, 講師 (30963003)
野村 美千江 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 教授 (50218369)
吉田 幸恵 神戸常盤大学, 保健科学部, 教授 (50269841)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | オーラルフレイル予防 / 健口体操 / dual-task / 高齢者 / エンパワメント / 口腔機能 / 認知機能 / 認知機能低下予防 / 口腔コグニサイズ |
研究開始時の研究の概要 |
オーラルフレイル予防に汎用される健口体操に、楽しく考える認知活動を組み合わせた口腔コグニサイズプログラム(科研:江﨑、H30-R2)は、集団による実践で一定の成果を得た。しかし、コロナ感染対策から集団での実施が難しい現状では、対象者に個別で口腔コグニサイズプログラムを実施してもらい、自主的に管理しながら継続できるように支援することが求められる。この支援には、高齢者自身で意思決定し行動できるようエンパワメントが不可欠である。開発したプログラムを、高齢者が自ら楽しみながら管理できるように継続的・実践的に介入し、口腔機能や認知機能への効果、エンパワメント効果などプログラムの有効性について検証する。
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研究実績の概要 |
オーラルフレイル予防に汎用される健口体操に、楽しく考える認知活動を組み合わせた口腔コグニサイズプログラム(科研:江﨑、H30-R2)は、集団による実践で一定の成果を得た。しかし、コロナ感染対策を経験した我々は、対象者に個別でプログラムを実施してもらい、自主的に管理しながら継続できるように支援することが求められる。この支援には、高齢者自身で意思決定し行動できるようエンパワメントが不可欠である。本研究の目的は、開発したプログラムを、高齢者が自ら楽しみながら管理できるように継続的・実践的に介入し、口腔機能や認知機能への効果、エンパワメント効果などプログラムの有効性について検証することである。なお本プログラムは、「dual-taskで口腔体操プログラム」と表記した。 現在、高齢者・次世代シニアを対象に口腔運動と認知課題を組み込んだ「dual-taskで口腔体操プログラム」を実践し、口腔・認知機能への効果とエンパワメントの検証を進めている。対象の予防行動を促し意欲を高めるための援助つまりエンパワメントは重要である。今年度はプログラムを継続する支援ツール・ポートフォリオの開発と、在宅高齢者の日常生活支援の経験が豊富なケアマネジャー等のインタビュー調査から、高齢者・次世代シニアの口腔保健ならびに認知機能低下予防への思い、予防行動を促すエンパワメントについて検討し、dual-taskで口腔体操プログラム開発・実践の基礎資料となる研究を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
オーラルフレイル予防に資する「dual-taskで口腔体操プログラム」の在宅指導に先駆けて、本プログラム継続支援ツールの開発をおこなった。先ず、文献検討し、高齢者の口腔保健教育支援におけるポートフォリオ(以下、PFとする)活用の方途を探り、先行研究で高齢者の健康教育支援に効果的であったPFの構成要素と記録用紙について検討した。また、高齢者の日常生活支援に熟練したケアマネジャー等の意見をもとに、高齢者が口腔保健行動や教育活動の情報をまとめることができるPFの原案を作成した。これを活用して、健口教室「dual-taskで口腔体操プログラム」の実践を行なっていく。 さらに、在宅高齢者を支援する関係者(ケアマネジャー等)を対象に、高齢者の口腔保健ならびに認知機能低下予防に関する思い、取り組みの現状ついてインタビュー調査を行った。在宅高齢者の口腔保健行動の現状が抽出され、高齢者自らが口腔保健行動していくためには、次世代シニアとなる家族介護者自身の口腔リテラシーを高める必要があると考えられた。加えて、予防行動の動機付けは〈プラスαの効果があるとやる気がおこる〉といった《個人の価値観にあった予防行動》が求められ、〈健康に費やせる費用と時間の考え方が合致〉し、その効果を実感すると《時間の使い方が価値づけ》られ継続意欲につながる。《他者の影響をうけて予防行動する》場合もあり周囲の働きかけも必要である。予防行動の実践では《日常生活に楽しみを取り入れる》《若い世代と交流する》《共に楽しむ》といった個人レベルから、地域・社会で《自助・公助によって支援する》《若い世代から予防対策に取り組む》といったケアマネジャーの実践知が抽出できた。今後、本プログラム実践では、予防行動への関心度・知識レベルを段階的に設定した枠組みを検討していく。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本学施設、地域交流センター、神戸市内の福祉施設等を実施施設として、健口教室の開催・介入準備に入る。新型コロナウイルス感染予防対策を継続しながら、地域住民が参加しやすい環境整備、教室運営スタッフ確保、参加者募集計画の立案・推進していく。参加者と共にプログラム内容の企画・実践・評価・改善策協議を繰り返し行なっていく。
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