研究課題/領域番号 |
23K10248
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 金城学院大学 |
研究代表者 |
鍋島 純世 金城学院大学, 看護学部, 講師 (60634631)
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研究分担者 |
山田 紀代美 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 教授 (60269636)
杉浦 彩子 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 医師 (90420380)
安東 由佳子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50314745)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 訪問看護 / 難聴 / 高齢者 / 教育プログラム / Webシステム |
研究開始時の研究の概要 |
難聴は加齢とともに進行し当事者も気づきにくい。看護師を含む医療従事者の難聴ケアにおける役割は重要であるが、難聴に関する知識不足が報告されており、多忙な訪問看護師の学習欲求に応えることが求められる。申請者が先の研究で開発した「難聴高齢者支援研修プログラム」を再考し、より行動変容に繋がりやすいオンライン形式の「訪問看護師を対象とした難聴ケア教育プログラムWebシステムの開発」を目指す。本プログラムは、訪問看護における難聴対策の発展かつ普及の一端を担うといえ、難聴の早期発見、診断、治療にもつながることからプライマリヘルスケアとして意義のある研究といえる。
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研究実績の概要 |
本研究は、訪問看護師を対象とした「難聴ケア教育プログラムWebシステム」を開発し、その効果を検証することである。2023年度は、「難聴ケア教育プログラムWebシステム」として包含すべき内容の検討を実施した。事前研究調査として2022年度に実施した「訪問看護師における高齢者の難聴に対する看護支援の実態」から、訪問看護師の難聴や補聴器に関する知識、難聴スクリーニング、難聴や補聴器のアセスメント及びケアの実施とそれに伴う困難の程度、難聴や補聴器に関してさらに必要と考える知識等を調査し、訪問看護師になかった難聴ケアに関する知識や技術を明らかにし、本研究プログラムに包含する内容の項目を抽出した。その中で、約80%の訪問看護師が難聴のアセスメントに困難を抱え、約30~50%の訪問看護師が難聴高齢者との会話時の環境調整に困難を抱えていたが、その困難の詳細は明らかにできなかった。よって、訪問看護師による高齢者の難聴ケアに関する困難を明らかにするために、訪問看護ステーションに勤務する訪問看護師21名に対しフォーカスグループインタビューを実施した。グループは調査の実効性を優先し、施設毎での構成とした。参加者が全員自由に発言できるように心がけながら、インタビューガイドを用いて1グループ1回約40~50分程度で半構造化インタビューを実施した。質問内容は、訪問先での高齢者の難聴ケアの実際、高齢者の難聴ケアにおける困難の内容とその理由、高齢者の難聴ケアにおいて困難を感じるタイミングから構成し、経験や思いを語ってもらった。インタビュー内容は承諾を得てICレコーダーにて録音し、逐語録を作成して分析データとした。フォーカスグループインタビュー調査は2023年4月~5月に実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画における2023年度の予定は、難聴ケア教育プログラムWebシステムとして包含すべき内容の検討である。難聴ケアに関する文献検討に加え、訪問看護師における高齢者の難聴に対する看護支援の実態の明確化として、「訪問看護師における高齢者の難聴に対する看護支援の実態(事前研究調査)」の分析・総括を実施した。訪問看護師の難聴や補聴器に関する知識、難聴スクリーニング、難聴や補聴器のアセスメント及びケアの実施とそれに伴う困難の程度、難聴や補聴器に関してさらに必要と考える知識を明らかにし、本研究プログラムに包含する内容の項目を抽出した。さらに、本研究プログラムの具体的内容を検討するために、訪問看護師における高齢者の難聴ケアに関する困難の探索について実施した。訪問看護師における高齢者の難聴ケアに関する困難の内容やその困難への対処方法など聴取したことにより、訪問看護師の困難に対処した「難聴ケア教育プログラムWebシステム」の内容の検討について進められている状況である。ただし、検討にあたっては更なる文献検討の必要性および実施した調査の分析が必要であり、計画通りに進んでいるとは言い切れない。よって、おおむね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、「訪問看護師による高齢者の難聴ケアに関する困難」について分析を実施し、分析により抽出された訪問看護師における高齢者の難聴ケアに関する困難に対し、対処可能な「難聴ケア教育プログラムWebシステム」の内容を検討し、文献検討により難聴に関する最新の知見も合わせて精選・統合し、「難聴ケア教育プログラムWebシステム」に含まれる内容を決定していく。 内容の検討と同時に、Instructional DesighのARCS動機づけモデルを援用し、訪問看護師に対する教育プログラムとしての適応度やプログラムの構成や方法を検討していく。
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