研究課題/領域番号 |
23K10250
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
山地 佳代 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (80285345)
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研究分担者 |
征矢野 あや子 京都橘大学, 看護学部, 教授 (20281256)
深山 つかさ 京都橘大学, 看護学部, 准教授 (70582865)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 認知症 / 高齢者 / 日常生活支援 / アドボカシー / web研修システム / 認知症高齢者 / 高齢者施設 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者施設のケア専門職が、認知症高齢者に対してアドボカシーの視点を持った日常生活支援を実践できるよう、ICTを活用した研修システムを構築し、その効果を検証する。先行研究で効果が検証されたアドボカシー研修会の内容を活用し、認知症高齢者本人の意見や視点を取り入れたコンテンツを作成し、研修システムを構築する。ICTを活用することにより高齢者施設のケア専門職も研修を受講しやすくなり、認知症高齢者へのアドボカシー実践が向上することが期待できる。
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研究実績の概要 |
認知症を有する高齢者(以後、認知症高齢者)が尊厳ある生活を最期まで続けるためには、食事や排泄といった日常生活支援のひとつひとつにおいて尊厳を尊重されたアドボカシーの概念に基づく支援を受けることが重要である。本研究では、高齢者施設のケア専門職のアドボカシー実践向上のために、先行研究でアドボカシー実践頻度の向上が明らかになった研修プログラムを応用し、ICTを活用した研修システムを開発、評価することを目的とする。 2023年度はweb研修システム案を作成することを目標とした。本研究におけるアドボカシー実践は、Needs Based Approachに加えRight Based Approachの概念を組み込んだ日常生活支援であることから、ケア専門職の認知症高齢者の権利に対する感受性がより高まるような研修システムを検討した。そこで、web研修システムのコンテンツとして、先行研究で開発したケア専門職が実践する具体的な日常生活支援方法であるアドボカシー指標を用いた研修内容に加え、認知症高齢者本人の体験や思いの語りも構成に加えるよう、検討した。 認知症高齢者本人に率直な体験や思いを語って頂くことができるインタビュー調査に向けて、どのような倫理的配慮が必要かについて国内外の文献検討を行った結果、インタビュアーとの関係性や面接に望ましい時間帯、言葉の伝え方、不同意メッセージへの気づき、負担が生じていると捉えられた時の対処法などについて示唆が得られた。それらを基に、研究協力施設と研究協力者のリクルート方法や、検討研究協力への説明と同意を確認するための配慮、日常生活支援を受ける立場で支援について自由に語ることができるための配慮などについて検討を重ね、インタビューのトレーニングも含め、調査実施に向けて準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度はweb研修システム案について検討し、先行研究で開発したアドボカシー指標に加え、認知症高齢者本人の語りもコンテンツの一つとして構成する案を採択した。認知症高齢者本人への面接調査に向けて、高齢者施設に研究協力を予定していたが、施設の中には現在も感染症対策として面会制限が解除されていない施設もあり、研究協力依頼が順調に進まなかった。今後はリクルートする施設の範囲を広げ協力施設を確保するとともに、認知症高齢者本人へのインタビュー調査に関する倫理書類を作成し、所属大学に審査を申請する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
認知症高齢者への面接調査を実施し、コンテンツ利用の了承が得られた研究協力者のインタビュー結果から、日常生活支援を受ける当事者の体験や思いについて本質を損なわないよう整理する。その後、web研修システム全体を構成し、ホームページ作成準備の後、開設する予定である。開設したホームページを活用し、高齢者施設の看護職・介護職を対象とした研修プログラムを稼働させ、研修前後でアドボカシー実践頻度の向上がみられるかどうか検証する。
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