研究課題/領域番号 |
23K10252
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
岡本 響子 安田女子大学, 看護学部, 教授 (60517796)
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研究分担者 |
松浦 美晴 山陽学園大学, 総合人間学部, 准教授 (00330647)
上山 千恵子 関西医科大学, 看護学部, 講師 (90751587)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 訪問看護師 / 8050問題 / 伴走型支援 / アンケート調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では「8050問題」に対する伴走型支援に焦点を充てる。伴走型支援は支援者と対象者が「つながり」合いながら、対象者と周囲との関係を拡げていくことを目指す新しい概念である。伴走型支援は従来の課題解決型支援と共に支援の両輪とされる。 本研究では伴走型支援の実現可能性に関する訪問看護師を対象とした全国調査を実施し、結果をもとに「8050問題」に携わる支援団体への聞き取り調査とモデル図作成を行う。
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研究実績の概要 |
文献検討では、共同研究者が集まり、伴走型支援の中身について時間をかけて検討した。検討の過程で、伴走型支援は、ホームレス支援から出てきた概念であるが、訪問看護師が訪れる「8050問題」を抱える対象者にその概念をそのまま当てはめることができるのかという議論が生じた。そこで、2022年に実施した訪問看護師22名へのインタビューを質的及び、量的に見直した。質的検討としては、各データをコード化し、カテゴリー化を行った。また、量的検討としてはテキストマイニングを使用し、計量テキスト分析を用いてクラスター分析を実施した。 質的帰納的分析では、10カテゴリー、30サブカテゴリーに整理された。10カテゴリーは【将来を見越して家族・「50」の方への支援をする】【家族と目標を共有する】【家族全体を1つと考え支援する】【家族を支える存在でいる】などであった。 計量的分析では階層的クラスター分析を行い、7つのクラスターに分けた。7クラスターは、【関係性を重視し伴走する】【対象者が安心して生活できることを目指しチームで共有するが,難しさもある】【「50」の方に医療や福祉の支援が必要なケースが多い】【「50」の方の負担が軽減できるよう支援に適したタイミングで介入する】などであった。 分析の結果、訪問看護師が考える伴走型支援とは,家族全体が支援の対象であり,課題解決を目指すアプローチとつながり続けるアプローチを包含しているものであることがわかった。キーワードとなる「一緒に」の言葉には伴走の意味が含まれていると考えられた。 訪問看護師が考える伴走型支援に関する概念整理ができたため、次の段階としてアンケート調査の質問項目を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
伴走型支援の概念に関して、文献等及び、2022年に実施した訪問看護師22名分のインタビューを質的及び量的に見直した。それらの見直しに時間を要した。アンケートの依頼及び質問項目作成のための概念整理は重要でありそれを優先したため、研究進捗がやや遅れることになった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は「8050問題」を抱える家庭に訪問している、訪問看護師を対象にアンケート調査を実施する。2023年度の検討をもとに、まずはインタビュー調査票作成及び、質問項目を完成する。次に質問紙の妥当性検討のため、訪問看護師20名程度に協力を求めプレテストを実施する。プレテストの結果に基づき修正を加え、全国の訪問看護ステーションから無作為抽出を行い、アンケート調査を実施する 2025年度は、アンケート調査の解析を行う。また調査結果を、支援団体関係者に開示し、意見聴取を行う。以上の結果を統合し、訪問看護を契機とした「8050問題」に対する伴走型支援モデルの作成と、解決に向けた提言を行う予定である。
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