研究課題/領域番号 |
23K10255
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 熊本保健科学大学 |
研究代表者 |
甲斐村 美智子 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (40530093)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 幼児 / 睡眠習慣 / 環境要因 / ソーシャル・キャピタル |
研究開始時の研究の概要 |
これまで子どもの睡眠の乱れは家庭の問題とされてきたが、近年は社会経済的環境の影響も示唆されている。申請者は先行研究で、幼児の睡眠習慣と母親の養育態度を介したソーシャル・キャピタル(SC)との関連を示した。しかし、睡眠習慣と経済的環境、社会経済的環境の地域特性、養育態度の関連要因は明らかにできなかった。 本研究では、①コロナ禍が幼児の睡眠習慣と家庭・社会経済的環境に及ぼした影響、②幼児の睡眠習慣と家庭・社会経済的環境との相互関連、およびこれらの地域特性を量的・質的調査から明らかにする。その上で、③幼児の健康的睡眠習慣を確立するための方策について提言する。
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研究実績の概要 |
1)研究目的:本研究の目的は、①新型コロナウイルス(以下、コロナ)が幼児の睡眠習慣および家庭・社会経済的環境に及ぼした影響、②幼児の睡眠習慣と家庭・社会経済的環境との相互関連、およびこれらの地域特性を明らかにすることである。 2)研究方法:研究全体は、第1次調査(量的調査)と第2次調査(質的調査)から設定されている。初年度実施した第1次調査は、インターネット調査専門会社の登録者で、幼児をもつ北陸地方の母親100名、関東・九州地方の母親各300名を対象に2023年10月、Web調査を行った。主な調査内容は、コロナによる影響、母子の睡眠習慣、睡眠の知識、養育態度、育児のソーシャル・サポート(以下SS)、ソーシャル・キャピタル(以下、SC)等である。なお、対象地方の高齢化率・出生率を全国的にみると、ともに九州地方は高く、関東地方は低く、北陸地方は中間の傾向にある。 3)結果:コロナにより自身を含め世帯内の就業状況に変化があった者は約2割、経済状況が悪化した者は約4割、社会的繋がりが減少した者は約6割であった。本研究対象児の就寝・起床時刻は平日に比べ週末は遅く、平均睡眠時間は幼児に推奨される時間を満たしていなかった。また、幼児と母親の就寝・起床時刻には、相関がみられた。2歳児以下、3歳児以上、および母親の各平日の平均就寝時刻を基に早寝群と遅寝群の2群に分類し、従属変数として幼児の早寝を1、遅寝を2、その他の変数を独立変数とした多重ロジスティック回帰分析を行った。その結果、遅寝には週末の起床時刻の後退、母親の就労と遅寝は正、学歴、経済的ゆとり、子どもへの生活リズムへの配慮は負の関連が認められた。 4)今後の方針:コロナによる幼児の睡眠習慣への影響、幼児の睡眠習慣と家庭・社会経済的環境との相互関連、地域特性等について、詳細に分析を進めるとともに、質的調査などから検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は、ソーシャル・キャピタルが異なる地域を対象とした量的調査を予定していた。予定通り調査地域および調査内容を選定し、調査を実施することができたことから、おおむね順調に進んでいるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
研究を計画した当初はコロナ禍にあったが、既にコロナは5類感染症に移行して1年が経過している。思い出しバイアスを懸念し、量的調査ではコロナ禍の子どもの生活リズムの調査ができなかった。また、対象者の4割が専業主婦であった。今後は、コロナ禍の育児の状況および現在の育児への影響等、量的調査では明らかにできなかった点について、就労する5~8歳の母親を対象に質的調査を行う予定である。
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