研究課題/領域番号 |
23K10347
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
久保田 直子 北海道科学大学, 保健医療学部, 講師 (90738212)
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研究分担者 |
山仲 勇二郎 北海道大学, 教育学研究院, 准教授 (20528343)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 概日リズム / 深部体温 / 直腸温 / 非侵襲的体温センサー / 寝たきり / 介護者 / 在宅 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの概日リズムは心身の健康に深く関わることが明らかにされているが、在宅寝たきり療養者の概日リズムの実態は不明であり、概日リズムを考慮した効果的な支援方法が確立されていない。本研究では、侵襲性がなく安全に評価できる複数の測定方法を駆使し、療養者と家族介護者の概日リズムの実態を明らかにする。また、各対象に対して概日リズムと睡眠覚醒リズムの改善のための介入を実践してその有効性を検証後、在宅の場における実践可能な支援を検討する。本研究は在宅での暮らしを望む寝たきり療養者と家族のQOLの維持・向上に寄与するとともに、概日リズムを考慮した投薬及び行動療法の開発にも発展することが期待される基盤研究である。
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研究実績の概要 |
ヒトの概日システムは、深部体温とメラトニンの概日リズムと睡眠覚醒リズムを別々に制御する2つの異なる振動体から構成されている。これら2つの振動体の位相関係を評価するためには、概日リズムと睡眠覚醒リズムの両方を同時に測定する必要がある。概日リズムの指標となる深部体温の測定には、信頼性が高く標準的な方法として直腸温が用いられてきた。しかし、肛門からプローブを直腸に挿入する方法は対象者への心理的負担が大きく、また日常生活下での連続的な測定は困難である。直腸温以外の深部体温測定には口腔温や食道温、鼓膜温などがあるが、これらも簡便には用いることができず、在宅で生活している寝たきり療養者には不向きである。本研究では、侵襲性がなく安全に評価できる測定方法で寝たきり療養者と家族介護者の概日リズムの実態を明らかにすることを目的としている。そこで2023年度は、深部体温を測定できる市販の非侵襲的体温センサーが直腸温と同様に深部体温の概日位相を測定できるかどうかを評価した。健康な成人を対象に日常生活下において腕時計型活動量計とパッチ型体温センサー、直腸プローブを同時装着し、睡眠覚醒リズムと深部体温の概日リズムを測定した。2つの測定方法による比較にはBland-Altman分析と相関検定を用いた結果、パッチ型体温センサーと直腸プローブで測定した概日位相には相関がみられた。このことより、日常生活環境下における寝たきり療養者の概日リズムの測定に、非侵襲で簡便なパッチ型体温センサーを用いることができる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
在宅で生活している寝たきり療養者と家族介護者の概日リズムの実態を調査するため、安全で簡便に使用できる測定器の選択が不可欠である。そのため、寝たきり療養者に用いることを想定して深部体温計や心電計、脳波計、活動量計などの様々な測定器の選定を行った。パッチ型の深部体温センサーについては、もう少し解析を続ける予定であるが、臨床の対象者の募集を始めており、概ね当初の計画通りに進められている。
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今後の研究の推進方策 |
自宅で生活されている寝たきり療養者と主な家族介護者の概日リズムの測定を進めていく。
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