研究課題/領域番号 |
23K10356
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
妹尾 弘子 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (90289968)
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研究分担者 |
田辺 大介 東京工科大学, 医療保健学部, 助教 (70867150)
吉武 久美子 東京女子医科大学, 看護学部, 教授 (90468215)
落合 珠里 東京工科大学, 医療保健学部, 助手 (00989006)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 精神保健福祉ボランティア / 地域 / リカバリー / 倫理 / リカバリ― / 精神障害者 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は精神保健福祉ボランティアと精神障害者の関わりのプロセスをリカバリーの視点から明らかにし、その結果をもとに「精神障害者に対するリカバリ―志向性を促すガイド」を作成することである。ガイドは従来の「疾患の理解」「心構え」等の内容にプラスして「精神障害者の強みや希望すること」「リカバリーの促進因子」等について事例を用いて記載する。全国の社会福祉協議会等での使用を依頼する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は精神保健福祉ボランティアの精神障害者に対するリカバリー志向性を高めるガイド作成である。今年度は地域で活動する精神保健福祉関係者5名に精神保健福祉ボランティアの募集および養成の現状について情報収集・分析を行った。さらにホームページ上で「精神保健福祉ボランティア」に関する講座や情報を提供している自治体や事業所等の情報について①自治体・事業所の種類、②ボランティア講座実施の有無、③講座がある場合はその内容の3点について情報収集・分析を行い、次年度の実施計画におけるインタビュー対象の選定(施設、精神障害者、ボランティア)について検討した。 ボランティア講座は各自治体や事業所、社会福祉協議会等によって行われ、受講後に実際の活動を希望する者には活動の場を紹介していた。しかし受講のみ行いボランティアとしては活動しない場合が散見された。理由としては「家族に精神障害者がいるため知識だけ得たい」「受講者自身が精神的課題を持ち関心はあるが活動する自信はない」「実際に活動を始めたがメンバーとのトラブルが重なり継続できない」等がみられた。その一方で、調理やプログラムの実施、作業の介助等、精神障害者関連施設で必要箇所のみボランティアができる人を施設スタッフが個別で探して依頼する場合もみられた。その場合はボランティア講座を受講しておらず、精神障害者に関する知識の提供も行わないが、長年継続している者が多いと話した。またボランティアとメンバーというそれぞれの関係性をあえて明確にせずに、プログラム等の際に同じ空間で過ごす者同士という形態をとる施設もあった。 以上のことから、次年度以降の精神障害者およびボランティアへのインタビューは、様々なボランティア形態を含む施設および対象者を幅広く選定し、ボランティアのリカバリー志向性につながる関わりの実際を明らかにしガイド作成に活かすこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画の実施はやや遅れている。令和5年度中に地域の関連施設での精神保健福祉ボランティア講座および活動状況の情報収集を行い、さらにボランティアへのインタビューを開始する予定であった。しかし実際には施設の情報収集のみとなった。遅れた理由としては精神保健福祉ボランティア講座等に関する情報や活動報告は見られるが論文としての報告が少ないため、インタビュー開始前に現時点での現場の状況に関する詳細な情報収集に時間をかける必要があったためである。コロナ禍を経てボランティアを取り巻く状況の変化に伴い、地域における精神障害者およびボランティアが一律ではなく、様々な形態があることが明らかになり、次年度以降の研究方法の示唆を得た。 次年度以降にインタビューを依頼する施設は、ボランティア講座を実施している施設に限らず、実施していない施設も含めることとした。また施設から紹介を受けインタビューを行うボランティアおよび精神障害者についても、長年関わりを続けている者に限らず、関わりが中断したり、一切無くなった場合も含めることとした。本研究の目的であるボランティアの「リカバリー志向性」を明らかにするためには、実際に関わりが継続できている場合の一側面ではなく、関わりがうまくいかなかった状況も分析することが必要と考えた。地域で暮らす精神障害者のリカバリーを促進する要因は、人や状況により阻害する要因にもなりうるため多角的に調査を行う。
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今後の研究の推進方策 |
現時点での研究遂行上の課題はない。 次年度以降は以下の通りで研究実施する予定である。①地域で活動する精神保健福祉ボランティアへのインタビュー、②地域で暮らす精神障害者へのインタビュー、③①②をもとに精神保健福祉ボランティアのリカバリー志向性を高めるためのガイド作成、④③で作成したガイドを全国の社会福祉協議会等に配布する。
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