研究課題/領域番号 |
23K10362
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58080:高齢者看護学および地域看護学関連
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研究機関 | 大阪行岡医療大学 |
研究代表者 |
水野 稔基 大阪行岡医療大学, 医療学部, 助教 (40848561)
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研究分担者 |
井坂 昌明 大阪行岡医療大学, 医療学部, 講師 (70735505)
神出 計 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80393239)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 睡眠 / フレイル / サルコペニア / 認知機能 / IoT / 施設入所高齢者 / 新規介入法 |
研究開始時の研究の概要 |
施設入所高齢者は要介護度が悪化しやすいと言われており、心身機能の低下を表すフレイルや認知機能障害の発症・進展に影響を及ぼす因子を明らかにし、これらを改善させる効果的な介入方法の構築が必要である。本研究では、近年、フレイルや認知機能障害に影響を及ぼす因子として報告されている睡眠習慣に着目し、質問紙票による主観的な睡眠評価に加え、IoTを活用した非装着型睡眠計より得られる客観的な睡眠データを網羅的に分析し、施設入所高齢者のフレイル・認知機能障害の発症・進展に影響を及ぼす睡眠習慣を明らかにする。さらに、フレイル・認知機能を改善させる「睡眠」への介入を取り入れた新規介入法を開発し、その効果を検証する。
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研究実績の概要 |
施設入所高齢者は要介護度が悪化しやすいと言われており、心身機能の低下を表すフレイル、その中核であるサルコペニアや認知機能障害の発症・進展に影響を及ぼす因子を明らかにし、これらを改善させる効果的な介入方法の構築が必要である。本研究の目的は、1.フレイル・サルコペニアや認知機能障害に影響を及ぼす因子として報告されている睡眠習慣に着目し、質問紙票による主観的な睡眠評価に加え、IoTを活用した非装着型睡眠計より得られる客観的な睡眠データを網羅的に分析し、施設入所高齢者のフレイル・サルコペニア・認知機能障害の発症・進展に影響を及ぼす睡眠習慣を明らかにすること。さらに、2.フレイル・認知機能を改善させる「睡眠」への介入を取り入れた新規介入法を開発することである。 この観点に基づき、まず初めに、超高齢者を含めた年代における睡眠状態とフレイルの関連を明らかにするために、地域在住一般高齢者を対象とした高齢者長期縦断研究(SONIC)研究において、年代別に睡眠状態とフレイルとの関連について検討を行った。本年度は、この結果を基に、睡眠状態とフレイルの関連についての論文を作成し、筆頭演者として国際誌1本が採択された。また、筆頭演者として国際学会1件の成果を残した。 本年度得られた成果は、超高齢者の年代においても睡眠状態がフレイルと関連することを明らかにし、超高齢者の年代が多く含まれる施設入所高齢者においても、主観的・客観的な側面から睡眠状態を評価することの意義を示した。現在、本研究に関しては、臨床研究倫理委員会の承認を得るとともに、施設と対象者の選定を行いながら、調査を進めている。現在、一施設での調査を終了し、引き続き複数の施設で調査を実施する。さらに、対象者から得られた主観的・客観的な睡眠データやフレイル、サルコペニア、認知機能などの評価結果については、データベースの構築を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、研究協力施設となる高齢者施設において、新型コロナウイルス等の感染状況を考慮しながら施設と協議し、少数例ずつ現地調査を進めているため当初計画していた症例数には到達できていない。 しかし、その中において、感染状況を配慮した安全な現地調査方法を確立し、一施設での調査は終え、睡眠データの収集も含め累積症例数は増えている。また、超高齢者の年代も含めた高齢者における年代別のフレイルと睡眠に関する研究では国際学会での発表や国際論文に採択されるなど、その成果を社会に還元することができた。 現在、調査を完遂した症例について、データベースを作成し、主観的・客観的な睡眠状態とフレイル・サルコペニア・認知機能との関連を分析し、得られた結果を国内学会で報告するための準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
申請者は、高齢者施設における感染状況を配慮した安全な現地調査方法を既に確立しており、少数例ずつの調査を進めており、すでにチームでの役割分担や連携の確認も完了している。万が一不測の事態が生じて研究の遂行が困難になった場合においても、研究分担者が代行し研究を継続する体制も確立している。また、本研究に用いる全ての測定項目を評価する機器についても既に準備を終えており、研究チームはそれぞれに高度な専門知識と研究能力を有し、機器の操作および解析にも精通している。今後は、調査を完遂した症例において、データベースを作成し、主観的・客観的な睡眠状態とフレイル・サルコペニア・認知機能との関連を分析し、得られた結果について国内・国際学会で報告し、社会に還元し、研究成果を積み重ねていく。今後の研究の進め方としては、感染拡大に最大限の対策を講じつつ高齢者施設に引き続き調査の依頼を行い、まずは複数の施設での横断調査を実施する。本研究を堅実に遂行させることを目的に、研究分担者をはじめ協力者などに積極的な協力を依頼し、対象者の研究に対する理解などを得ながら、安全かつ迅速に調査を進めていく予定である。
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