研究課題/領域番号 |
23K10422
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
笠原 敏史 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (10312422)
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研究分担者 |
寒川 美奈 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (40360953)
齊藤 展士 東京家政大学, 健康科学部, 教授 (60301917)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2026年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 運動学習 / 運動制御 / 高齢者 / 筋活動 / リハビリテーション |
研究開始時の研究の概要 |
「転倒」は世界共通の研究テーマであり,高齢者の健康問題に甚大な影響を与える.高齢者の転倒は繰り返すことが特徴であり,再転倒を防ぐために運動学習は欠かせない.しかしながら,高齢者の運動制御および姿勢制御の学習方法は具体的に提示されておらず,その学習効果の再現性は乏しい.本研究は高齢者の運動制御の学習低下に影響する要因を明らかにし,運動学習理論に基づく筋力調整トレーニング法を開発する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,運動学習理論に基づいて高齢者の運動制御を再学習することによって転倒を予防する姿勢・筋力調整トレーニングを考案することであった.転倒予防または転倒による重症化を防ぐための姿勢戦略として懸垂戦略に有効性について,サンプルエントロピーを用いて動揺の複雑さを評価し,重心位置のデータにカボール変換を適用し,異なる周波数の時間変化の特徴を抽出し,第50回日本臨床バイオメカニクス学会にて報告し,懸垂戦略がおける重心動揺の予測性に寄与し,姿勢の安定性に貢献することを明らかにした.本研究の成果は,Frontiers in Neurologyに掲載された.さらに,懸垂戦略の側方への外乱動揺に有効性について,2023 XXIX congress of International Society of Biomechanicsにて発表し,懸垂戦略時の膝関節の適正角度を明らかにし,その成果をHuman movement scienceに掲載が決定している.さらに,高齢者の姿勢・動作の計測の負担を軽減するために姿勢推定AIを用いたビデオ映像による動作解析および床反力計の計測の信頼性及び妥当性について調べ,その有効性についてXXIX congress of International Society of Biomechanicsにて発表し,その成果をSensorに掲載が決定している. 現在,健常若年者を対象とし,ピンチ力と足関節のフォースマッチング課題を用いて運動学習を行い,両側間転移および上下肢間の転移効果に関するデータ収集を完了した.これまでに報告されている両側間転移が力制御にも確認され,さらに,下肢においても転移効果がみられることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験課題や評価方法など実験デザインを確立し,健常若年者を対象とした実験計画について成果を上げることが出来た.しかし,コロナ以降,依然として高齢者の実験協力者の募集は回復せず,当初予定していた高齢者データを収集することができなかった.また,外乱刺激装置について世界情勢によって部品調達が非常に困難な状況となり,現行の装置から他の製作会社の装置に変更することとなり,計画の見直しが必要となった.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,シルバー人材センターや地域高齢者団体へ高齢者の応募の協力を依頼し,高齢者データの収集に努める.研究参加者への負担の軽減のために姿勢推定AIによるマーカーレスの三次元動作解析の開発を推進する予定である.外乱刺激装置を作成・販売している会社とレンタルも含めて交渉を行う予定である.研究成果について,学会発表・論文投稿を行う予定である.
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