研究課題/領域番号 |
23K10439
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 新潟医療福祉大学 |
研究代表者 |
犬飼 康人 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (20757801)
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研究分担者 |
宮口 翔太 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (60780343)
大西 秀明 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90339953)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 一次運動野 / 小脳 / 非侵襲的脳刺激 / ニューロモデュレーション / バランス機能 / 転倒 / 経頭蓋交流電流刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
経頭蓋交流電流刺激(transcranial alternating current stimulation: tACS)は,頭皮上に貼付した電極から特定の周波数の交流電流を付加することで,電極直下の律動性神経活動を特定の周波数に変調することができる非侵襲的なニューロモデュレーション技術であり,運動機能の向上には,M1と小脳が関与することが明らかになっている.本研究の目的は,M1-小脳tACSが動的バランスの向上に与える影響を明らかにし,高齢者に対するM1-小脳tACSの集中的介入による動的バランス機能の変化を検証することで,バランス障害に対する新たな治療技術を確立することである.
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研究実績の概要 |
高齢者で顕在化する動的バランス機能の低下は,転倒を引き起こす主要因の1つであることが明らかになっている.動的バランス機能には,一次運動野(M1)や小脳の機能が関与することが示唆されているが,これまでの動的バランス機能を改善・向上させるニューロモデュレーション技術は確立されていない.本研究課題では,動的バランス機能を改善・向上させるM1ならび小脳へのニューロモデュレーション技術の開発に取り組む. 本年度は,M1ならび小脳への経頭蓋直流電流刺激(tDCS)と経頭蓋ランダムノイズ電流刺激(tRNS)が動的バランス機能に与える影響について検証を行った.検証の結果,M1に対するtDCS後には動的バランス機能の指標であるスラックライン上での片脚立位保持時間が有意に増加することが明らかとなった.また,M1に対するtRNS後にもtDCSと同様に刺激終了後に動的バランス機能が有意に向上することが明らかになった.一方,小脳に対するtDCSは動的バランス機能に影響を与えないことが明らかになった.同様に小脳に対するtRNSも動的バランス機能に影響を与えないことが明らかになった.本年度に得られた結果として,M1に対してtDCSやtRNSなど皮質興奮性を増大させる効果を有するニューロモデュレーション技術を用いることにより,動的バランス機能が向上することが示唆された. 今後は,M1へのtDCSやtRNSが動的バランス機能に与える長期的な刺激効果の検証を進める.また,M1-小脳のネットワークに着目したM1-小脳tACSが動的バランス機能に与える効果検証に取り組む予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は予定していなかった刺激効果の検証の必要性があると判断し,実験条件を追加したため,予定より実験数が増えたことにより予定よりやや遅れが生じている.
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究成果から,特にM1に対するニューロモデュレーション技術(tDCS・tRNS)は,動的バランス機能の向上に有効であることが明らかになった.今後は,局所的なニューロモデュレーション技術の効果ではなく,M1-小脳の神経ネットワークに着目し,M1-小脳の同時刺激が可能である経頭蓋交流電流刺激(tACS)を用いてM1-小脳tACSが動的バランス機能に与える効果検証に取り組む.
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